ジェイテクトは6月24日、電気自動車(以下「EV車」)の駆動ユニットのモータ用として使用されるグリース潤滑玉軸受において、dmn185万以上の高速回転を実現したことを発表した。
これによりジェイテクトは、モータの小型・高出力化による高速回転化に対応し、電費の向上と航続距離の延長に貢献するとしている。
近年急速な勢いで普及しているEV車は、環境への負荷が低く、今後益々厳しさを増す燃費規制をクリアする技術として注目されており、電力の高効率化や信頼性の向上のため、更なる技術の開発が求められている。
中でも、自動車の燃費・電費の向上に直結するモータの小型・高出力化が進んでおり、モータを支持する軸受には更なる高速回転性能が要求されている。そのため、高速回転下でも破損や焼付きが発生しない軸受の開発が課題となっていた。
ジェイテクトでは、こうした時代のニーズに応えるため、更なる高速回転性と信頼性を追求し、高速回転時の保持器に作用する遠心力による応力緩和や各部寸法設計の適正化を図り、dmn185万以上を実現した。
なお、ジェイテクトによると、dmn185万以上という回転性能は世界トップクラスとなる。
今後、EVモータの小型・高出力化はますます加速し、高速回転性能のみならず、高温環境下での高速回転性能が求められると予想される。ジェイテクトは今後の市場への対応を見据えて、更なる開発に取り組んでいくとしている。
【製造工場】
亀山工場、四国工場、ダイベア(ジェイテクトグループ会社)など