高耐熱リチウムイオンキャパシタ
ジェイテクトの〝高耐熱リチウムイオンキャパシタ〟が、萩原テクノソリューションズのメンテナンスフリーUPS「H3UPS-J」に採用された。市販製品への高耐熱リチウムイオンキャパシタの採用は今回が初だ。
上記UPS(Uninterruptible Power Supply)とは、停電や落雷などの電源トラブル発生時に電気を一定時間供給し続けるための無停電電源装置。UPSがあることで電源トラブルが機器に与える影響を防ぎ、システムが安定稼働し、重要なデータを守ることができる。
萩原テクノソリューションズのUPS「H3UPS-J」
対して萩原テクノソリューションズの「H3UPS-J」は、コンピュータ機器などで停電時のシャットダウン処理時の数十秒のバックアップを想定したUPS。従来型のUPSで課題だったと消耗や劣化によるバッテリー交換の手間を回避。10年以上のメンテナンスフリー運用を実現した製品だ。それは頻繁に瞬停が起こりうる電源環境への導入でも有効だ。
同製品で使用されたジェイテクトの高耐熱リチウムイオンキャパシタは、二次電池に分類される蓄電デバイスで、電気の出入り(放電・充電)が非常に早く出力密度に優れているのが大きな特徴だ。
また繰り返しの充放電でも性能劣化が少なく、電池寿命が長いことも特長のひとつ。当該製品では既存のキャパシタの動作温度範囲を凌駕する-40~85℃を実現。電圧制御により100℃まで使用可能な仕様となっている。
またジェイテクト製品の正極には活性炭を用いており、リチウムイオン二次電池で懸念される熱暴走反応を誘発する酸素を含有していない。従って発火リスクが極めて低く、車載用途にも利用可能な耐久性能を兼ね備えている。このような高い安全性と耐久性が評価され、今回、萩原テクノソリューションズのメンテナンスフリーUPS「H3UPS-J」への採用に至ったという。