Jatco CVT-XS
ジヤトコは10月12日、小・中型FF(前輪駆動)車用の新型CVT「Jatco CVT-XS」(CVT-XS)を開発し生産を開始した。
この製品名のCVT-XSの“S”には「Smooth(スムーズ)」「Small(小さい)」「Safety(安全な)」「Supreme(至高の)」の意味が込めた。そもそもジヤトコは、前身会社の一つである日本自動変速機株式会社が1970年に創業して以来、これまで1億2,500万台以上のAT・CVTを世に送り出してきた。
特にCVTはパイオニアとして累計5,700万台以上を生産。現在は電動車両向けの電動パワートレインの開発と同時に、グローバルシェアNo.1(2022年:当社調べ)のCVTの改良にも取り組む。
新開発したCVT-XSは、伝達効率90%のCVT-Xを進化。ドライバーの意図通りの加速感や優れた応答性により運転性能を高め、燃費も向上させた。更にレイアウトの工夫により全高を低くして搭載した小型車両の安全性向上に寄与させた。
なおCVT-XSの生産は、ジヤトコ メキシコ社(アグアスカリエンテス州)で行う。ジヤトコは世界各拠点共通の生産方式、JEPS(JATCO Excellent Production System)に沿って、グローバルで高品質の商品を安定的に供給していく構え。
CVT-XSの主な特長は以下の通り
燃費の向上
メカオイルポンプの小型化によってメカニカルロスを低減し、燃費を向上させた。また米国での温室効果ガス・燃費規制(GHG/CAFE)を達成している。
優れた運転性能
多板ロックアップ、3方リニアソレノイドを用いて発進時および再加速時にエンジン回転の吹け上がりを抑え、ドライバーの意図通りの加速感が得られるようにした。加えてツインオイルポンプの採用により、優れた応答性も実現させた。
車両の安全性向上に貢献
車体への搭載サイズは、これまで横置きだったコントロールバルブを縦置きにしてユニットの全高を低くした。これにより出力280Nmのポテンシャルを持つユニットでありながら搭載する小型車両の衝突要件も達成することができ、車両の安全性向上に貢献している。
搭載車両は、米国の自動車安全性評価であるNCAP*の歩行者保護項目における「ファイブスター」の認定要件を達成している。(北米で発売中の日産セントラに搭載)