いすゞ自動車と日野自動車は、トラックやバスの自動運転実用化に向けた高度運転支援技術・ITS技術(※)に関する4つの技術を共同で開発した。
両社は今後、実用化に向けて同技術を磨きあげた後、それぞれのトラックやバスといった製品に、18年度以降順次、搭載してゆくとしている。
いすゞと日野は、自動運転システムの早期実用化に向け、そのベース技術となるITSシステムや高度運転支援技術については「競争領域」ではなく、早期普及のための「協調領域」と位置付け、両社で共同開発を進めることで2016年5月に合意。
この合意に基づき、両社で開発を進めてきた結果、①視界支援、②路車間通信、③加減速支援、④プラットホーム正着制御の4つの技術を開発した。
これらの技術を、両社は今後、共同開発しているハイブリッド連節バスをはじめとして、18年度以降順次、製品に搭載し、実用化していく計画だ。
[共同開発した技術の概要]
①視界支援
車両内外にカメラを設置、ドライバーはモニターで監視。車外に設置したカメラは、車両停止時に車両周辺の移動物を検知し、ドライバーにアイコンと音で警報を行うことで、事故防止に貢献する。
②路車間通信
路車間の通信により、安全支援(赤信号注意喚起、赤信号減速支援、右折時注意喚起、信号待ち発進準備案内)やバス優先の信号制御(PTPS)による公共交通の効率化に貢献する。
③加減速支援
先行車の加減速の操作情報を通信で後続車に送ることにより、先行車との車間距離を高精度に制御、無駄のない、スムーズな加減速を実現する(CACC)。
④プラットホーム正着制御
路面上の誘導線をカメラで認識し、自動操舵、自動減速によりバス停へ誘導することで運転操作を支援。バス停側の対応とあわせて、隙間・段差を解消することで、円滑な乗降が可能になり、バリアフリー化を実現する。
※)ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム):人と道路と自動車の間で情報の受発信を行い、道路交通が抱える事故や渋滞、環境対策など、様々な課題を解決するためのシステム