いすゞのF-Seriesトラックをベースに自動運転技術開発用に試作したデータ収集車
いすゞ自動車は8月27日、米国に於ける車両ソフトウェアTier 1サプライヤーの米Applied Intuition, Inc.(アプライド・インテュイション)とレベル4自動運転トラックを共同で開発することなどを包括する戦略的提携契約を締結したことを明らかにした。
両社は最大5年間に亘るアライアンス戦略で、レベル4の自動運転トラック技術を共同開発する。より具体的にいすゞは、アプライドが有するシリコンバレー育ちの先進技術を活用し自動運転事業を早期に開始。これを日本国内に持ち込んで「物流2024年問題」を始めとする物流上の社会課題解決をリードしていきたい考えだ。
そもそも、いすゞは先の4月に公表した中期経営計画「ISUZU Transformation – Growth to 2030(IX)」で自動運転ソリューションを新事業の柱に据えることを掲げていた。
そのIXでは、2027年度から日本・北米を起点に自動運転レベル4のトラック・バス事業を開始すると綴られており、いすゞはその取組に係る大きな原動力と手にするため、Applied Intuitionと戦略的提携契約を締結。日本の幹線輸送向けにカスタマイズされた自動運転技術レベル4の姿を追求していく。
そのロードマップは2026年度に、いすゞが規定するODD(運行設計領域/自動運転システムが作動する設定条件下)のもとでモニター実証を行い、2027年度中に自動運転レベル4のトラック事業の開始へと漕ぎ着ける。
この取り組みについていすゞ 社長COO南真介氏は、「今回のApplied Intuitionとの提携は、自動運転技術開発を飛躍的に前進させることに繋がり、2027年度中に自動運転レベル4のトラック事業を開始するいすゞの計画は盤石かつ確実なものとなったと考えます。
またApplied Intuitionの先進技術はいすゞがIXで掲げた「新技術でお客さまと社会の課題を解決する新事業に挑戦」を実現していく上で、強力な原動力になることを確信しています」と述べた。
一方でApplied Intuition共同創設者兼CEOのカサル・ユニス(Qasar Younis)氏は、「Applied Intuitionは、自動車メーカーが次世代技術を自社ブランド車に導入できるよう支援する事業を行っています。
今回のケースでは、いすゞと協力して商業トラック向けの自動運転の要素技術を確立させていきます。そうしたなかで当社がエコシステム内の他の企業と大きく異なる点は、我々のお客さまで自動車メーカーが成功しなければ当社も成功しないという点です。
そのため、世界最大のトラックメーカーの1社であるいすゞが商業トラックのニーズを解決すると同時に、社内の開発能力を押し上げるべく、それをサポートできる機会に恵まれたことをとても光栄であることに加え、そうしたチャレンジに心躍らせています」と語っている。
名称:いすゞ自動車株式会社
設立:1937年4月
代表者:代表取締役 取締役社長COO 南真介
従業員数:45,034名(2024年3月末時点)
事業内容:自動車・輸送用機械器具・原動機等の製品およびその部品ならびに関連する資材・用品の製造・販売
WEBサイト:https://www.isuzu.co.jp/
名称:Applied Intuition, Inc.
設立:2017年
代表者:共同創設者兼CEO Qasar Younis
共同創設者兼CTO Peter Ludwig
事業内容:Applied Intuitionは2017年設立。自動車、トラック、建設、鉱業、農業、防衛産業向けにサービスを提供しており、カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、ミシガン州アナーバー、デトロイト、ワシントンD.C.、ミュンヘン、ストックホルム、ソウル、東京にオフィスを構えている。提供製品は、ADAS/ADツールチェーン、世界クラスの車両プラットフォーム、高度な自律スタックなど。世界の自動車メーカー上位20社のうち18社が、同社のソリューションに信頼を寄せている。