ユーラスエナジーホールディングスは5月20日、グループ会社であるユーラステクニカルサービスと東京電力ベンチャーズが、国内最大規模となる170基の風力発電設備のドローン点検を実施すると発表した。
ユーラステクニカルサービスは、再生可能エネルギー開発をグローバルに展開するユーラスエナジーホールディングスのグループ会社として、これまでの経験に基づいた独自の運営ノウハウによって、国内での風力・太陽光発電所の安定操業を担っている。
今後、風力発電設備の大規模化や洋上への進出など、さらなる拡大が期待される風力発電設備の保守管理において、集中監視システムの導入や、ドローンを含めた最新の点検ソリューションの検討など、先進的な取り組みを展開している。
東京電力ベンチャーズは、風力発電設備の保守管理ソリューションの世界的リーダーであるSkySpecs社と独占アライアンスを締結している。
ユーラス北野沢ウインドファームでの点検の様子(青森県)
従来ユーラステクニカルサービスはブレードの点検を人の手によって実施してきたが、点検の精度が一定でないことや、点検に時間を要すること、また高所作業による安全面も含めた課題を抱えていた。これらの課題に対処するために、2019年より複数社のドローンによるブレード点検サービスを比較検討した結果、高い優位性を持ったSkySpecs社の採用を決め、2021年度、同社が運転・保守管理を行っている国内の発電所のうち、13の発電所、総計170基で運用することになった。
SkySpecs社によるドローン点検サービスの優位点は以下のとおり。
1.自律制御により、自動運転にて、安定した精度の画像を取得できる
2.1基あたり15分で画像取得でき、短期間での点検が可能である
3.1基あたりの点検に伴う風車設備停止時間削減のため、費用対効果に優れる
4.SkySpecs社のAIは6万基以上の風力発電設備の過去の点検データにより、優れた損傷検知能力を持っている
国内における陸上風力設備の耐用年数は約20年と言われている。経年化が進んでいく状況下、再生可能エネルギーの安定的な利用のためには、風車ブレード損傷の早期発見の重要性が増している。ユーラステクニカルサービスおよび東京電力ベンチャーズは保守管理業務のデジタル化を通じ、再生可能エネルギーの安定的利用拡大に貢献していくとコメントしている。