Honda E-Clutch
本田技研工業は11月7日、二輪車用有段式マニュアルトランスミッションのクラッチコントロールを自動制御することで、ライダーの手動によるクラッチレバー操作を不要とした「Honda E-Clutch(ホンダ イークラッチ)」を世界初披露した。
このHonda E-Clutchは、発進、変速、停止など、駆動力が変化するシーンで、ライダーのクラッチレバー操作を必要とせず、最適なクラッチコントロールを自動制御する。これによりライダーは違和感のないスムーズなシフト操作が行えるので、ライディングの楽しさに集中することができるという。
なお電子制御がクラッチコントロール中であっても、ライダーがクラッチレバー操作を行えば(クラッチレバーを握るだけ)、通常のマニュアルトランスミッション車と同様、手動によるクラッチコントロールを行えるようにして、ライダーの積極的なシフト操作にも幅広く対応する。
またHonda E-Clutchは、軽量コンパクトなシステムで構成されており、既存のエンジンレイアウトを大きく変更することなく車体に搭載できる。従って今後は趣味性の高い二輪車へも順次適用する予定としている。
Honda E-Clutchシステム概要イメージ
さてそんなHonda E-Clutchは、従来のマニュアルシングルクラッチ、マニュアルトランスミッション機構と同じ動力伝達機構を使用している。
具体的には、車体の状態(車速/エンジン回転/スロットル開度/ギアポジション/シフトペダル荷重検知など)に対応したエンジン協調制御機構(点火時期制御、燃料噴射制御など)とクラッチ協調制御を組み合わせる。
結果、ライダーの要求に応じた動作を電子制御にて行われる仕組み。またクラッチレバーによるクラッチ手動操作とモーターによるクラッチ制御が独立して作動できるようになっており、手動操作による強制介入を可能にして手動操作とモーターによるクラッチ制御の両立を実現した。
(映像説明)発進、変速、停止など駆動力が変化するシーンで、電子制御技術を駆使することにより最適なクラッチコントロールを瞬間的に細かく行い、ライダーのクラッチレバー操作不要でスムーズな発進、変速、停止を可能とした。
システム動作についてはON/OFFの2パターンから選択可能。システムON時は基本的にクラッチ操作を自動で制御し、ライダーがクラッチレバーを握ることで一時的に手動によるクラッチ操作に移行することができる。
一方、システムOFF時は、常時(発進時、変速時、停止時)ライダーによるクラッチレバーでのクラッチ操作が必要となる。