日立Astemo (アステモ)は11月1日、SDV(*1)への対応の拡充や新たなモビリティサービスの実現を目指して、ソフトウェア・クラウドサービス事業を行う新会社「Astemo Cypremos(アステモ・サイプレモス)」を、同日設立したと発表した。
アステモ・サイプレモスでは、クラウドと連携したクルマの知能化やモビリティの進化に対応した価値を提供していくと云う。
*1)SDV:Software Defined Vehicle.
昨今の自動車業界では、自動運転技術の進化やコネクテッドカーの普及、電動化の加速などにより、車両の制御や機能がソフトウェアに大きく依存し、その重要性が飛躍的に高まっており、これに伴い、ソフトウェア開発は高度化・複雑化の一途をたどり、エンジニアリングの効率化および迅速化が業界全体の喫緊の課題となっている。
日立アステモではこれまで、グローバルメガサプライヤーとして、自動運転など車両の高機能化を実現するソフトウェア・E/E(*2)アーキテクチャなど、車両内部の技術としての〝イン・カ―(In Car)領域〟に価値を提供してきたが、今後さらに同領域への対応を強化しつつ、時代の要請に迅速に対応していくため、今回、〝アウト・カー(Out Car)領域〟に於けるデジタルエンジニアリングの変革をリードする新会社「アステモ・サイプレモス」を設立した。
この新会社では、SDV対応のためのクラウドや通信技術を活用し、機能拡張や性能向上を実現する車両外部の技術としてのアウト・カー領域を合わせた〝IoV(*3)Platform(プラットフォーム)〟により、広範なシステム提案力を有するTier0.5サプライヤーとして、SDV時代に求められる価値を提供。
日立アステモがECU(*4)やAD/ADAS(*5)などのイン・カー領域の各種ハードウェア・ソフトウェアの開発を様々な自動車メーカーと共に行い培ってきた自動車づくりの知見やノウハウと、デジタル先端技術やデータ活用、AI技術を融合させることでエンジニアリング領域の変革を実現すると共に、高度な専門性を持ったグローバル人材を採用し、自動車メーカーやグローバルな開発パートナーと共に、先進モビリティサービス領域での価値創出に挑戦し、SDV時代におけるパラダイムシフトをリードしていくと云う。
*2)E/E:Electrical/Electronic.
*3)IoV:Internet of Vehicles.
*4)ECU:Electronic Control Unit
*5)AD/ADAS:Autonomous Driving / Advanced Driver Assistance System
<アステモ・サイプレモスの概要>
– 名称:Astemo Cypremos株式会社
– 所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい四丁目6番2号 みなとみらいグランドセントラルタワー(2025年4月、渋谷に移転予定)
– 代表者の役職・氏名:代表取締役 社長 三田村 健
– 事業内容:モビリティ領域に於けるエンジニアリングクラウドとシステムサービス提供。
– 資本金等:1億円 (2024年11月時点、資本準備金の額を含む)
– 設立日:2024年11月1日
– 出資比率:日立Astemo株式会社 100%
日立アステモおよびアステモ・サイプレモスは、イン・カ―とアウト・カー領域を合わせたIoVプラットフォームを通し、Tier0.5サプライヤーとしてSDV時代に求められる価値を提供し、持続的成長に向けてSDV化とその先も見据えたモビリティサービスへの事業を展開。加えて、世界をリードする先進的なモビリティソリューションの提供を通じて、持続可能な社会と人々の豊かな生活の実現に貢献することで、モビリティを通し安全性や安心感の提供、さらに世界中の人々がより自由で豊かな生活を楽しめるようにすることを目指すとしている。
また、来年4月に新会社の活動拠点を、日本のIT技術・人材の集積地である東京・渋谷の渋谷サクラステージに移し、多様な人材を積極的に採用しながら、グローバルで先進的なカルチャーを育むことで、デジタルエンジニアリング領域におけるリーディングカンパニーを目指すとしている。
<日立アステモの概要>
– 名称:日立Astemo株式会社
– 本社:東京都千代田区大手町二丁目2番1号 新大手町ビル
– 事業内容:自動車部品および輸送用ならびに産業用機械器具・システムの開発、製造、販売およびサービス。