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2024年9月19日【CASE】

吉利傘下のロータス・ロボティクス、自動運転で日本進出へ

坂上 賢治

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「ロータス・カーズ(Lotus Cars)」は9月19日、自動運転技術で日本市場に本格進出する方針を決めた。そんなロータス・カーズは、1996年にマレーシアのプロトン傘下入り。その後の2017年に、浙江吉利控股集団(Geely Holding Group)の傘下になっている。

 

今回は、上記ロータス・カーズの中国子会社「ロータス・ロボティクス(Lotus Robotics/2021年設立)」が、ロータス・カーズから人工知能(AI)を使った自動運転支援システムを受注。このロータス・ロボティクスに追加出資する日本企業の募集も開始した。今後は、最先端AIに基づく自動運転技術を活用したい日本企業との商機を探る構えだ。

 

 

上記のロータス・ロボティクスは、本社拠点を中国浙江省寧波に。浙江省杭州(吉利の本社所在地)、独フランクフルトにも拠点を持ち400人超の社員を抱える。そんなロータス・ロボティクスの李博・最高経営責任者(CEO)は、自動車を世界で最も台数が多いAIロボットと位置づけており、AIを応用した自動運転技術の開発を鋭意進めている。

より具体的にロータス・ロボティクスでは、「自動運転支援システムのROBO Soul」、「自動運転システム向けのAI開発ツールのROBO Galaxy」、「遠隔運転支援システムのROBO Matrix」を核に自動運転技術に取り組んでおり、これらの3技術は、「ロータス製EVのエレトレ(Eletre)」、吉利とボルボで設立した「リンク・アンド・コー(Lynk & Co)」、吉利製商用車の遠程汽車」。「徳賽西威汽車電子のDesay SV」などで採用実績があることを明らかにしている。

 

 

加えて東京工業大学で物理情報システム工学の修士号を取得(のちに博士号も取得)した本田技術研究所を経て、吉利に転職。アリババグループの先端技術研究機関「アリババDAMOアカデミー(達摩院)」で知見を積んだ自身の経歴上の技術優位を強調。併せて自社に於ける人材の多様性を背景とした技術的優位も主張した。なお今後、日本に於いても自動運転に係る受注を獲得することを目指し、日本国内企業と自社の技術連携を介した商機を探っていく考え方も示している。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。