「ロータス・カーズ(Lotus Cars)」は9月19日、自動運転技術で日本市場に本格進出する方針を決めた。そんなロータス・カーズは、1996年にマレーシアのプロトン傘下入り。その後の2017年に、浙江吉利控股集団(Geely Holding Group)の傘下になっている。
今回は、上記ロータス・カーズの中国子会社「ロータス・ロボティクス(Lotus Robotics/2021年設立)」が、ロータス・カーズから人工知能(AI)を使った自動運転支援システムを受注。このロータス・ロボティクスに追加出資する日本企業の募集も開始した。今後は、最先端AIに基づく自動運転技術を活用したい日本企業との商機を探る構えだ。
上記のロータス・ロボティクスは、本社拠点を中国浙江省寧波に。浙江省杭州(吉利の本社所在地)、独フランクフルトにも拠点を持ち400人超の社員を抱える。そんなロータス・ロボティクスの李博・最高経営責任者(CEO)は、自動車を世界で最も台数が多いAIロボットと位置づけており、AIを応用した自動運転技術の開発を鋭意進めている。
より具体的にロータス・ロボティクスでは、「自動運転支援システムのROBO Soul」、「自動運転システム向けのAI開発ツールのROBO Galaxy」、「遠隔運転支援システムのROBO Matrix」を核に自動運転技術に取り組んでおり、これらの3技術は、「ロータス製EVのエレトレ(Eletre)」、吉利とボルボで設立した「リンク・アンド・コー(Lynk & Co)」、吉利製商用車の遠程汽車」。「徳賽西威汽車電子のDesay SV」などで採用実績があることを明らかにしている。
加えて東京工業大学で物理情報システム工学の修士号を取得(のちに博士号も取得)した本田技術研究所を経て、吉利に転職。アリババグループの先端技術研究機関「アリババDAMOアカデミー(達摩院)」で知見を積んだ自身の経歴上の技術優位を強調。併せて自社に於ける人材の多様性を背景とした技術的優位も主張した。なお今後、日本に於いても自動運転に係る受注を獲得することを目指し、日本国内企業と自社の技術連携を介した商機を探っていく考え方も示している。