古河電気工業は、7月6日に総務省より5.9GHz帯におけるV2X(Vehicle to everything)通信用の実験試験局免許を取得したと、7月26日発表した。
自動車業界は100年に一度という大変革の時代を迎えており、高度なモビリティ環境を実現するCASE(Connected、Autonomous、Shared、Electric)が着目されている。例えば、自動運転などが実現される社会においては、安全・安心のための通信や乗る人が快適に過ごすためのエンターテイメントの配信も同時に行う等のユースケースが議論されてきている。そのようなユースケース実現のため、大容量通信の特徴をもつV2X通信規格の普及の動きが国際的に進んでいる。
日本においても総務省の「周波数再編アクションプラン」が公表されており、5.9GHz帯において、既存無線システムとの周波数共用等の技術的条件について2021年度までに検討を実施し、2023年度を目途にV2X用通信への周波数割り当てが検討されている。
古河電気工業は、今回取得した5.9GHz帯V2X通信用の実験試験局免許を活用し、同社の平塚事業所内で通信試験を始めとした研究開発を行う。V2X通信が実現するV2V(Vehicle to Vehicle)、V2I(Vehicle to Infrastructure)、V2P(Vehicle to Pedestrian)、V2N(Vehicle to Network)の機能を、使う人のうれしさにつなげる技術の研究開発を推進していく。
さらに、古河電工がこれまで培ってきたFTTHを始めとする光通信システムの領域と、V2X通信を融合させることでV2X通信の付加価値を向上させ、モビリティ・インフラ領域において新技術を創出していく。そして、これらを基盤とした「次世代のインフラ」を提案し、社会実装を行うことで、社会基盤の発展に貢献するとしている。
開発中のRSU(Road Side Unit)試作機