古河電気工業と古河電池、そして関電工の3社は5月30日、「バイポーラ型鉛蓄電池 」の性能確認試験を4月より開始したと発表した。
古河電工と古河電池は、再生可能エネルギーの有効活用に向けて、低コスト・安全性・省スペース性・リサイクル性を備えた電力貯蔵用蓄電池である「バイポーラ型鉛蓄電池」の社会実装を目指し、開発を進めてきたが、今回、その一環として、関電工と共同で性能確認試験を実施する。
バイポーラ型蓄電池は、1枚の電極基板の表と裏にそれぞれ正極と負極を有するシンプルな構造であることから、従来の鉛蓄電池と比較して材料の削減ができるほか、体積当たりの容量の向上により重量エネルギー密度が約2倍に。
また、電極基板の積層化により設計自由度の高い電池構成ができることから、コスト競争力改善にも期待が寄せられており、電力貯蔵用のリチウムイオン蓄電池との比較では、消費電力量当たりの単価が50%以下に抑えられることに加え、空調レス稼働が可能なため温度管理コストの削減も合せて、トータルコストを1/2以下に抑えることが可能。さらに発火や火災といった安全面に於いても大きな優位性を備え、設置スペース性でも優れたものになっていると云う。
<性能確認試験の概要>
・場所:関電工技術研究所
・日程:2023年4月から2年間を予定
関電工、古河電工、古河電池の3社は、本試験を通じて「バイポーラ型鉛蓄電池」の社会実装に向けた共創に取り組んでいくとしている。