富士通ゼネラルは6月15日、富士通ゼネラルエレクトロニクス(以下「FGEL」)が、「小型GaNモジュール」を開発したと発表した。
FGELは、2025年頃と予測される次世代デバイス(GaN、SiC)へのシフトによるパワー半導体市場の成長を見据え、GaNデバイス開発のリーディングカンパニーである米国Transphorm社とともに、パワーエレクトロニクス製品の大幅な小型化や高効率化が実現可能なGaNモジュールの開発を2018年から進めている。
今回開発した「小型GaNモジュール」は、Transphorm社製の高耐圧GaN-FETチップをドライブ回路とともに内蔵。また、高速駆動、電力損失(導通損失・スイッチング損失)の大幅低減を実現している。
今秋よりサンプル出荷を開始し、パワーモジュールを電源関連や産業機器へと順次製品展開していく。また、将来的には車載分野での採用も視野に開発の強化および量産体制の構築を進め、電子デバイス事業の新たな柱として成長させていくとしている。
【GaNデバイスとは】
GaN(窒化ガリウム)はSiC(炭化ケイ素)と並び、現在主流のSi(シリコン)に代わる次世代半導体材料として注目され、実用化が進んでいる。GaNはスイッチング性能に優れ、スイッチング周波数の高速性や電力損失を大幅に低減する高効率性を最大の特長としている。電源回路やモーター駆動回路、その他のパワーコンバーターやインバーターシステムの小型化や高効率化を容易に実現できるほか、SiCよりも低コストなデバイスとしても注目を集めている。