NTTドコモは、LTEの一部周波数帯域のみを利用すること等で通信モジュールの低価格化、省電力化を実現するIoTサービス向け通信方式「LTE-M」(※1)を、10月1日(月)から提供する。
「LTE-M」は、省電力を目的としたセルラーLPWA(Low Power Wide Area)の一つで、電池駆動やソーラー電源など、商用電源が取れない状況下で利用されるIoT機器などにも適していると云う。
具体的には、機器の遠隔監視や異常検知用途をはじめ、水位や土砂の状態監視、見守り向け位置情報監視、熱中症対策となる暑さ指数(WBGT)監視用途など、月に数KB~十数MB程度の比較的少ない通信が想定される。
ドコモでは、IoT向け料金プラン「IoTプラン」「IoTプランHS」(※2)および、「アクセスプレミアムLTE」、「mopera U」、「ビジネスmoperaインターネット」、「docomo IoT回線管理プラットフォーム」など関連のサービスを提供。
これまでのLTEカテゴリ4や、カテゴリ1などに加え、今回提供開始する「LTE-M」も含めたカテゴリの異なる通信方式が混在する場合でも、同一のプラットフォームで利用できるため、設備への追加投資の最小化が見込めるとしている。
なお、ドコモのLTE-Mに対応した通信モジュールは、「AM Telecom」や「京セラ」、「Quectel Wireless Solutions」、「Gemalto」、「Sierra Wireless」、「太陽誘電」、「Telit wireless solutions Japan」、「村田製作所」、「u-blox」(五十音順)が、順次取り扱う予定だ。
※1:3GPPが規定するLTEに関する通信規格の一つ。カテゴリ4は最大通信速度下り150Mbps/上り50Mbps、カテゴリ1は最大通信速度下り10Mbps/上り5Mbps。これらと比較し「LTE-M」はより端末実装の簡易化による低価格化と通信中の省電力化を主眼とした規格。
※2:2017年10月2日から提供。IoTプランは送受信最大128kbps。IoTプランHSは、LTEの高速通信を利用可能。
[IoTサービス向け通信方式「LTE-M」概要]
<LTE-Mの特長>
LTE-Mは送受信に用いる通信帯域幅を最大1.4MHzに制限すること等により、実装機能・処理量を削減し、端末実装の簡易化を図ることで通信モジュールの低価格化、データ通信の効率化を実現。また、現在提供中のeDRXと組み合わせて利用することで、省電力化が期待できる。
<LTE-M利用時の構成例>
水位や土砂の状態監視、見守り向け位置情報監視、熱中症対策となる暑さ指数(WBGT)監視用途で、電池駆動、ソーラー電源など商用電源が取れない状況下での利用に適している。
<提供開始日>
2018年10月1日(月曜)
<LTE-Mのスペック>
(項目、提供条件)
通信最大速度、下り300kbps/上り375kbps
※通信速度は、技術規格上の最大値であり、実際の通信速度を示すものではない。
<対応料金プラン>
○IoTプラン
○IoTプランHS
※システム構成・利用用途等に応じて上記以外の料金プランにも対応。詳しくは全国のドコモ法人営業部門へ問い合わせのこと。
※IoTプラン、IoTプランHSについて:https://www.nttdocomo.co.jp/biz/charge/module/iot/
<提供エリア>
東京都、大阪府、千葉県の一部エリアから開始
※2019年3月末にはLTEと同等のエリアとなる予定。
<販売および受付窓口>
全国のドコモ法人営業部門