NTTドコモ北海道支社は、北海道天塩郡豊富町の豊富町振興公社と連携し、牛の放牧業務の効率化を目的に、町営大規模草地牧場で、ドローンを用いた放牧業務の実証実験を7月31日(水)から開始する。
実証実験では、町営大規模草地牧場の一部においてLTEネットワークのエリア化を行い、ドコモが開発するドローン農作業管理システムとドローンを用い、牧場内における牛追い(※)や、牧場内の施設点検に関する画像や動画データをクラウド上に蓄積。従来、人手、自動車を用いて行っていた業務の効率化ができるかを検証する。
これまで豊富町の町営大規模草地牧場では、放牧業務の効率化について、様々な検討を重ねてきたが、機器導入費用や通信ネットワークの届きにくいエリアなどの課題により、広大な敷地面積で牛の育成を人の手を介して行ってきた。
実証実験では、ドローンより警報音を出し、その音をきっかけに牛を柵内に移動させることを検証。
また施設点検では、あらかじめドローンに登録した牧柵や水飲み場などのエリアに、GPSを活用してドローンが自動で飛行し、搭載したカメラで写真や動画を撮影し、操縦者が離れた場所から短時間で確認できるかを検証。
さらに撮影した写真、動画を自動でクラウド上にアップロードすることで、撮影内容で施設内の環境変化を把握できるかや、作業員の移動などの効率化についても検証する。
牧場ではこれまで牛追いや牧場内の施設管理の業務に、約4時間を要してきたが、この実証実験ではドローンを用いることで業務時間を半分以下にすることが期待できると云う。
今後ドコモは、同実証実験を通じて一次産業における各地域の課題解決を目指し、さらなる地方創生に取り組んでいくとしている。
※牧場では、定期的に牛の健康管理等を行うため、牧場施設内の指定場所へ放牧中の牛を誘導する必要があり、その作業を牛追いと呼ぶ。
[実証実験概要]
<実証実験期間>
2019年7月31日(水)~2019年11月30日(土)
<実施場所>
豊富町 町営大規模草地牧場(〒098-4101 北海道天塩郡豊富町上福永)
<実証実験内容>
実証実験では、放牧業務のうち牛追い、牧場施設点検について、ドコモが開発するドローン農作業管理システムおよび対応ドローンを導入する。
これにより従来、人手や自動車を用いて行っていた牛追い、牧場施設点検などの業務をドローンにより遠隔で実施、放牧業務を短時間かつ効率化できるかの確認を行う。
●牛追い
スピーカーを搭載したドローンを用いて、上空で音を出しながら牛を追うことで、目的とする場所へ牛を追い込む。
実証実験では、音の種類・大きさや飛行の方法などを変えながら、ドローンでの牛追いの方法における有効性を検証するとともに、その時間の変化についての検証を行う。
また今後、検証結果を活用したドローンの自動飛行を行うことで、自動で牛を追い込む実験も検討する。
●牧場施設点検
カメラを搭載したドローンを使い、起伏のある広大な牧場内であらかじめ登録した地点を自動飛行して牧場施設(牧柵、水飲み場、牛舎など)の写真や動画を撮影し、遠隔地にある事務所のPCやタブレットから写真を使って点検を行うことを目指す。
撮影した画像や動画は自動でクラウド上にアップロードされるため、離れた場所や時間に関係なく確認することができ、作業員の移動などの効率化が期待できる。