大日本印刷(以下「DNP」)は8月4日、薄型・軽量・低コストなワイヤレス充電用シート型コイルの開発を発表した。
近年、環境負荷の低減に向けて世界的に電動車が普及するなか、充電作業の煩雑さを解消し、生活者の利便性を向上するワイヤレス充電技術が、電動車のさらなる普及を促進するものとして注目されている。また、特にセンサーやカメラによってハンドル操作が不要となる「自動駐車」の普及とともに、より欠かせない技術とになると考えられている。一方、電導線としてリッツ線を使用する既存のコイルは、厚み・重量・コストに課題があった。
こうした課題に対して今回DNPは、エレクトロニクス部門の事業で培った知見を活かしたコイル設計技術・製造技術により、大電力伝送(SAE J2954-WPT3/11.1kWクラス)に対応した、既存製品よりも薄型・軽量で、かつ低コストなワイヤレス充電用シート型コイルを開発した。この製品は、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)等の電動車に加え、市場が拡大している無人搬送車(AGV)にも使用することができる。
DNPは、今回開発した大電力対応ワイヤレス充電用シート型コイルの早期の製品化を推進し、国内外の自動車メーカーやシステムメーカー、道路等のインフラ関連の業界のほか、無人搬送車(AGV)メーカーやIH家電のメーカーに提供。また、シート型コイルの技術の応用・発展に努め、製品開発をさらに進めて、将来的には、究極の技術として各国で研究・開発が進められている走行中充電向けにも展開していくとしている。