NEXT MOBILITY

MENU

2024年8月19日【ESG】

DMM、世界規模の地図更新プロジェクトに実証参画

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

AI+カメラで地図データを収集してDePIN( ディピン / 分散型物理インフラ )マッピング( 世界中のドライバーの力を借り、リアルタイムで地図情報を更新する国際活動 )を遂行中の「Hivemapper( ハイブマッパー )」と、DMM Crypto( ディーエムエムクリプト / 2024年7月30日付でDM2C Studioから商号変更 )は8月19日、共同でフリート( 法人が所有する複数台の車両 )事業に於ける実証実験( PoC )を開始した。

 

これは先の通り、個人ドライバーから大規模な車両事業者まで、様々なコミュニティから路上の画像が投稿され、世界規模で最新地図を作成していくweb3プロジェクトを指す。

 

Hivemapperはサービス開始からわずか20ヶ月で1500万km以上の地図作成に成功。それは世界中のドライバーの日常的な運転を通じて、世界規模の地図データを制作するという先進的な試みであり、既に世界10大地図メーカーのうち2社が自社の地図を最新かつ正確に保つために利用しているとされている。このことから世界規模で最も成功しているDePINプロジェクトの一つと言われている。

 

「Hivemapper」はサービス開始からわずか20ヶ月で1500万km以上の地図作成に成功、これは従来の主要地図サービスの5倍以上のスピードになる

 

その仕組みは、ドライバーは専用のマッピングデバイス( ダッシュカメラ )を使って、高精度なデータを収集・提供することで、高精度かつプライバシーが保護された映像データを元に最新の地図をリアルタイムで生成・更新される。一方で地図の更新に貢献したドライバーは、その成果を独自トークン「HONEY( プロジェクト独自の仮想通貨 )」として得ることができる建て付けだ。

収集された画像はAIによって地図化され、できた地図データを利用する事業者は、有償でAPIにアクセスして、これを利用するという経済循環構造になっている。

 

今回、DMM Cryptoは、この「Hivemapper」とパートナーアライアンスを締結。日本を舞台に実証実験に乗り出す他、日本及び国外での地図データ利用先企業の開拓や、日本発のDePINプロジェクトの企画/立案なども行っていく予定という。

 

写真は、Hivemapper専用のマッピングデバイス(ダッシュカメラ)

 

なお実証実験については「タクシーや物流の分野におけるドライバー数減少問題の解決を目的としたweb3技術×インセンティブ付与の実証」として、JETRO(日本貿易振興機構)の「対内直接投資促進事業費補助金事業」に採択されている。その他のパートナーアライアンスの詳細も以下に列挙した通りだ。

 

(1)JETRO「対内直接投資促進事業費補助金」採択事業者:
https://www.jetro.go.jp/news/announcement/2024/341052301f603c4c.html

 

(2)日本及び国外に於けるHivemapper Dash Cam シリーズの販売代理店契約

 

(3)日本及び国外でのHivemapper Fleet事業の運営

 

(4)Hivemapperの機能を用いた一般ドライバー参加型のDrive to Earn事業

 

(5)運輸、配送事業者等と連携した職業ドライバーの待遇改善の取り組み

 

(6)自動車メーカー・輸出業者等と連携したフリート(法人が所有する複数台の車両)事業の国内外への拡大

 

(7)Hivemapperと自社ゲームコンテンツとの連携を深めることでシナジーを造り出すサービスの可能性を模索する

 

(8)Hivemapper活動と連動させた社会課題解決ソリューションの開発。同様の見地に立ったBtoBソリューションの開発検討

 

(9)Hivemapper活動と紐付けたファイナンスサービスの開発を検討。

 

(10)その他、DMMグループのアセットを活用したweb3プロジェクトなど

 

上記取り組みについてHivemapperのアリエル・セイドマンCEO 兼 共同創設者は、「DMM Cryptoは、Hivemapperの成長に不可欠な実績のある優れた企業です。このパートナーシップを通じて、DePINの既存産業を変革する力を更に強化し、日本やアジア地域において共にWeb3プロジェクトの金字塔を打ち立てたいと思っています」と述べた。

 

対してDMM Cryptoの加嵜長門 代表取締役CEOは、「DePIN領域を代表する世界的なプロジェクトであるHivemapperとパートナーアライアンスを締結できることを嬉しく思います。Hivemapperの日本での普及や法規制対応などのサポートを通して、日本におけるWeb3のマスアダプションをDMM Cryptoとして更に強く促進していきたいと思っております」と語っている。

 

DMM Crypto会社概要
名称 :株式会社DMM Crypto
本社所在地 :〒106-6224 東京都港区六本木三丁目2番1号 住友不動産六本木グランドタワー24階
代表者 :代表取締役CEO 加嵜長門
主な事業 :自社トークン発行及び運用
      web3サービスの企画、開発及び運営
      web3サービスのコンサルティング
      web3サービスの受託開発
設立日:2023年1月

 

 

・「Seamoon Protocol」ウェブサイト:https://seamoon.dmm.com/

・「Seamoon Protocol」公式X:https://twitter.com/Seamoon_JP

・「Seamoon Protocol」ホワイトペーパー:https://docs.seamoon.dmm.com/whitepaper

・会社概要:https://seamoon.dmm.com/company/profile/

・公式ウェブサイト:https://hivemapper.com/explorer

・公式Xアカウント:https://x.com/Hivemapper

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。