点火燃焼技術開発メーカーのダイヤゼブラ電機(ダイヤHD /本社:大阪市、社長:小野 有理)は、レシプロエンジン(ICE)を未来の脱炭素社会にて活かすべく、点火燃焼技術開発メーカーとして燃料の燃焼上最も重要な部品である新点火システムの開発を進めてきた。
そして今回、目標としてきた〝アンモニア燃焼技術開発〟で一定の成果が得られたことから、自動車技術会2023年春季大会学術講演会セッションNO.30先進ガソリン機関技術1で論文発表を行う。
同社では「昨今、地球温暖化対策として自動車電動化への取り組みと並び、カーボンフリー化を目指したアンモニア燃料の燃焼研究が進んでいます。
従来のガソリンなどに対し、アンモニアのような燃焼し難い燃料を安定燃焼させる為のファクターの1つとして、点火系には非常に高いエネルギーの火花放電が求められます。
既存量産エンジンにおける点火系エネルギー強化での燃焼限界拡大効果
当社は、2018年に鳥取に本社を置くグループ会社のダイヤモンド電機株式会社内に【A-Lab(燃焼ラボ)】を設立。
点火コイルの放電エネルギーと電流特性を自由に変えられる特殊点火装置を用い、アンモニアや水素燃焼に関する基礎研究を独自に実施してきた結果、アンモニアと水素の混合気を燃料とした既存レシプロエンジンでの実験に於いて、より高いアンモニア混合率での安定燃焼を実現しました。
アンモニア燃料100%での安定燃焼は、公表されている限りでは世界初の成果(自社調べ)です。これを踏まえ当社は上記研究成果を元に「超高エネルギー点火システム」の製品開発に着手しました。
従来製品比で6倍以上の点火エネルギーが出力可能な点火コイル技術と、1/1000秒レベルで複数回の火花放電を可能とするマルチ点火技術を組合せ、トータルで12倍以上の点火エネルギーが出力可能なシステムを、エンジンへ搭載可能なサイズに収めたものです。
開発中の製品イメージ
本システムは、様々なリーンバーンエンジンにも応用可能で、カーボンニュートラル社会に資するレシプロエンジンの実現に大きく貢献できるものと確信しています。現在プロトタイプで諸特性を確認中で、供試可能な試作品の完成は2024年3月を予定しています。
今後も当グループは、中長期経営計画“再点火反転攻勢”で掲げた〝車と家をものづくりでつなぐ〟に基づき、公器としてお客様の発展に寄与し社会の豊かさに貢献するべく、現業の改善並びに新常態の時代に資するものづくりに連戦猛進して参ります」と話している。
「超高エネルギー点火システム」の主な用途
・火花点火エンジン全般
・火花点火による着火・燃焼に関する製品
会社名:ダイヤモンドエレクトリックホールディングス株式会社
部署名:社長室 IR・広報部
TEL:06-6302-8211
Email:PR1_INFO@dia-zbr.co.jp