デンソーは8月6日、水を電気分解することで水素を生成する装置であるSOEC(Solid Oxide Electrolysis Cell:固体酸化物形水電解装置/*1)の早期実用化を目的として、英国のCeres Power Holdings (セレス・パワー・ホールディングス/以下、セレス社)と、製造ライセンス契約を結んだことを発表した。
セルスタックは、水蒸気を水素と酸素に分離させる役割を持つSOECの構成部品のひとつ。セレス社では、このセルスタックの高出力を実現する、金属とセラミックを接合した独自の固体酸化物技術を有していると云う。
デンソーは、このセレス社の技術を活用して、車載で培ったセラミック技術を合わせた高品質なセルスタックの量産化ならびに熱マネジメント技術、制御等のシステム技術を加えたSOECの早期実用化を図るとしている。
また、カーボンニュートラルを実現するための有力な次世代エネルギーのひとつとして、その技術開発に場所や規模、用途に応じた様々な対応が必要な水素エネルギーについて、国内外のパートナーとの連携を通じて、多様な利活用技術開発を進め、カーボンニュートラルな社会づくりに貢献していきたいとしている。
*SOEC:セラミック膜を電解質として高温で動作し、水蒸気を電気分解して水素を製造する装置。水素製造については、他にもアルカリ液を電解質とするアルカリ水電解や、高分子膜を電解質とするPEM型水電解があるが、SOECはそれらと比べて電解に要する電気エネルギーが少ないことが特徴。