近畿大学と、日本電信電話株式会社(NTT)、NTTドコモ、西日本電信電話株式会社(NTT西日本)、NTTデータの五者は11月24日、5Gの実証実験ならびに高度な情報通信技術(ICT)を活用したスマートシティ・スマートキャンパスの創造及び教育・研究、そして地域社会の発展を目指して、連携協定を締結した。
近畿大学はこれまで、スマートキャンパスの実現に向けて、日本の大学に先駆けてインターネット出願、VISAプリペイド機能付き学生証の発行、Amazonでの教科書販売、コンビニでの各種証明書発行、キャンパスのキャッシュレス化など、先進的なICT導入に取り組んできた。
こうした従来の取り組みに加えて、都市・地域が抱える課題を明らかにし、その諸課題を解決するため、第四次産業革命・Society5.0の社会実装に向けた実証実験の場として、様々な企業、団体等に大学キャンパスや病院などに積極的な活用を促していく。
近畿大学の6つのキャンパスでは、計3万人以上の学生や教職員が活動しているが、夜間や休暇期間にはこれらの広大な敷地にほとんど人がいない状態になる。こうした環境を仮想の都市空間と捉え、様々な制限により実際の市街においては困難な実証実験の場として提供することにより、スマートシティ・スマートキャンパス実現に貢献するとしている。また、実証実験に関わることにより、同大学の教員や学生が大きな刺激を受け、大学の新たな可能性を広げることも狙い。
一方、NTTグループは中期経営戦略「Your Value Partner2025」において、スマートな社会(スマートワールド)実現への貢献を掲げ、社会課題の解決を図る技術・サービス、とくに5Gサービスの展開、研究開発の強化等を柱として、内外の各種パートナーと様々な取り組みを推進している。
今回の五者包括連携協定を通して、それぞれの持つ人材や知識・教育・研究などの資源を活用することで、スマートシティ・スマートキャンパスの創造及び教育・研究への展開、国内における5Gの普及に期待がかかる。
■協定締結による取り組み
本協定に基づく第一弾の取り組みとして、NTT・NTTドコモ・NTT西日本・NTTデータが保有する5GやIoTなどの最先端技術を活用し、近畿大学6キャンパスにて、下記の取り組みを推進する。
(1)近畿大学病院と関連病院であるくしもと町立病院間で、5Gを活用した高精細画像のリアルタイム送受信を行い、へき地での遠隔医療支援の実証実験を行う。【NTTドコモ】
(2)近畿大学水産研究所の生簀内に水中ドローンを設置し、完全養殖マグロの状態監視の実証実験を行う。【NTTドコモ】
(3)近畿大学6キャンパス内で、全学生の同時接続を想定したWi-Fi環境整備やオンライン・オンデマンド講義の導入により教育現場のデジタルトランスフォーメーションを推進する。【NTT西日本】
(4)近畿大学オリジナルのデジタル教材を制作支援・配信し、学校教育、リカレント教育のコンテンツ充実を推進する。【NTT西日本】
■今後の展開
今後下記の取り組みについても検討を進める。
(1)近畿大学キャンパスを活用したスマートモビリティおよびドローンビジネスを推進する。
(2)近畿大学キャンパス周辺企業や地域社会と連携し、5Gオープンイノベーションの推進を図り、5Gの発展に寄与する。
(3)実証実験・研究成果を教育活動にフィードバックし、Society5.0時代に必要となる、高度なICT技術を活用できる人材育成を行う。
4.本資料の配布先
大阪科学・大学記者クラブ、総務省記者クラブ、大阪機械記者クラブ、文部科学記者会、科学記者会、東大阪市政記者クラブ 他