BOLDLYは12月13日、北海道上士幌町で自動運転バスの冬季運行を実施すると発表した。
冬季の上士幌町では、雪や氷点下の環境が想定される。雪や氷点下の環境において、行政と連携して除雪や凍結防止などの道路環境の整備を行った上で、ハンドルがない自動運転バスを運行するのは国内で初めて(BOLDLY調べ)。
今回の冬季運行では、積雪による周辺環境の変化やぼたん雪などの降雪が自動運転バスのセンサーに与える影響や、氷点下の環境における車両の走破性および路面凍結への対策の有効性などを確認する。
■冬季運行の概要
路面凍結や積雪などの環境下でも安全かつ安定して運行できるよう、行政と連携して除雪や凍結防止剤の散布などによる道路環境の整備を行いながら、自動運転バスの冬季運行のノウハウを蓄積する。また、BOLDLYの自動運転車両運行管理プラットフォーム「Dispatcher(ディスパッチャー)」により、遠隔監視者がリアルタイムに自動運転バスの運行状況の記録や把握を行い、運休や再開などの運行情報を利用者などに知らせてサポートすることで、移動サービスの品質向上を目指す。
今回の冬季運行では、自動運転バス1台で1日に20便運行する。町内で新たに整備されたシェアオフィスやホテル、道の駅、交通ターミナルなどの拠点を循環し、住民の日常的な移動手段や、ワーケーションや観光を目的とする来訪者の2次交通として活用してもらう見込み。また一部の停留所では、町外を含む広い地域で運行される既存の路線バスと接続する利便性の高い運行ダイヤを構築する他、既存の路線バス運行事業者と一部の停留所を共用することで、町内を循環する自動運転バスと町外にアクセスする路線バスの間のスムーズな乗り換えを可能とする。
■雪や氷点下の環境への対応
積雪が想定される地域では、自動運転バスが安全に走行できる環境を整備するために除雪作業が重要となる。今回は上士幌町の協力により、自動運転バスの走行路の路肩白線まで除雪する。
また、交差点や停止線付近に凍結防止剤をまくことで路面の凍結を防ぎ、自動運転バスが安全に走行できる環境を整備。積雪による周辺環境の変化や、ぼたん雪などの降雪が自動運転バスのセンサーに与える影響や、氷点下の環境が車両および車両の走行に与える影響を確認する。
■各社・団体の役割分担
BOLDLY株式会社
・今回の冬季運行に関する行政と連携した規制緩和手続き
・運行ルートの設定や、3Dマップデータの収集、障害物検知センサーや車両の 設定など、車両のソフトおよびハードへのインテグレーションに関する技術提供
・「Dispatcher」による遠隔監視、運行状況の記録および把握など
上士幌町
・実証実験運営支援、除雪支援、関係者調整など
株式会社TKF
・自動運転バスの保管場所の提供および自動運転バスの給電など
株式会社マクニカ
・自動運転バスのメンテナンス支援
上士幌自動車工業株式会社
・自動運転バスのメンテナンスサポート
十勝バス株式会社/北海道拓殖バス株式会社
・バス停の共用への協力