Amazon.com, Inc.傘下のAmazon Web Services, Inc.(AWS)は(9月5日・米国シアトル)、BMWグループが自動運転プラットフォームの実現に向け、AWSを推奨クラウドプロバイダーに選定されたことを発表した。( 坂上 賢治 )
BMWグループは、AWSを活用して次世代の先進運転支援システム(ADAS)を開発し、2025年に販売予定の次世代車両「Vision Neue Klasse(ヴィジョン・ノイエ・クラッセ) 」の新機能の革新を推進する。
クラウドベースの新システムは、AWS上でBMWの既存のクラウドデータハブを利用し、AWSのコンピューティング、生成系 AI、IoT、機械学習、ストレージなどを活用して、高度に自動化されたBMW車両の提供を加速させる。
ADASは早期警告システムのほか、自動車の運転をより安全かつ快適にするための機能により、今日のドライバーを支援している。こうしたシステムは高度なソフトウェアや車載センサーを使用して、ドライバーに警告を出し、自動ブレーキやステアリング機能で走行中の車両性能を向上させるよう設計されている。
そこでAWSで次世代のADASプラットフォームを開発することで、BMWグループのエンジニアは、顧客の要望により迅速に応えられるようになるだけでなく、ドライビングエクスペリエンスを向上させる新たな機能を提供できるようになるという。
またクラウド技術がもたらす効率性により、BMWはノイエ・クラッセ の機能を改善し続け、ドライバーは走行中のエクスペリエンスにより集中することができるとした。
一方ででAWSのサービスは、こうした新しいスケーラブルな自動運転プラットフォームの実現を支援し、開発ライフサイクルを加速させ、その範囲をBMWモデル全体に拡大させる。
例えば、プラットフォームは Amazon Simple Storage Service( Amazon S3 )で何百万マイル分にもおよぶリアルタイムのドライビングデータの処理やカタログ化を行い、保存のために必要なフレームワークを提供する。
たこれに対してエンジニアやデータサイエンティストは、クラウドやエッジで機械学習モデルの構築、トレーニング、デプロイを行うAWSのAmazon SageMakerを活用して、関連するドライビングシーンを検索、特定、視覚化し、モデルの開発、トレーニングを行うことができるようになる。
最後にAWSの自動車・製造担当ゼネラルマネージャーであるWendy Bauer氏は、「自動運転は利便性を高めるためだけでなく、運転支援技術を提供することでケガを防止して人の命を救うことを目指しています。
BMWグループがこうしたシステムを世界的な規模で導入していくには、学習やイノベーションに加えて、膨大な量のデータ処理・分析ができ、自動車メーカーがより安全で信頼性の高い自動運転やADASのシステムを開発できるアプローチが求められます。
BMWグループはAWSやQualcomm Technologies と協力することにより、安全で高品質かつ高性能な、そして高度な自動運転機能をお客様に提供するというビジョンを実現するために必要なツールを手に入れることができます」と説明している。