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2024年7月18日【IoT】

ブルースカイAI、運転者の居眠り検知技術を確立

坂上 賢治

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ドライバーの眠気と注意力に関する感情認識AIを活用した基盤技術を実証

 

コーンズテクノロジーが、日本国内で総代理店としての役割を担うBlueSkeye AI( ブルースカイAI/本社拠点:英連邦シティ・オブ・ノッティンガム )は、自社開発したドライバーの眠気を的確に検知するAIの実証を、ノッティンガム大学の人間工学研究グループと共同で実施。

 

その結果、当該の居眠り検知技術は、7月7日に欧州で施行される新法施行に先立ち、関連技術の正当性に対して求められてきた条件を全てクリアした。つまり、これはEUの疲労度評価に則ったアルゴリズム評価に於いて、同社の感情認識AIが自動車へ搭載できるための必要条件を全て満たしたことを意味する。

 

ちなみに今回、BlueSkeye AI社が開発した感情認識(眠気検出)システムとは、独自の機械学習を介してAIが人間の顔の表情と音声を分析・理解。医学的見地に於いても、客観的な見地に於いても、その場、その場の人の感情を正しく解釈できるというもの。

 

EUの検証条件を上回る精度で、ドライバーの眠気を正確に捉える

 

より具体的には、医療現場に於ける臨床医、患者、その場の友人。仕事場や家庭環境に於ける家族の健康状態、気分、眠気、精神状態を精緻に評価。その評価を軸に、正しく治療を施すだけでなく、一切の妥協無しに対象者を見守り続ける用途にも役立つ。つまり、このAI見守りソリューションは、自動車運転者の精神状態、社員の集中度、学校に於ける生徒の授業態度などを皮切りに、より広範囲で利活用できる潜在能力を秘めている。

 

そんな今回の実証テストは、ノッティンガム大学・人間工学研究グループ所有の没入型曲面スクリーンに囲まれたAudi TTの運転席に座る人物に対して、シミュレータ実証を介して眠気の有り無しを探り当てるべく実施された。テストでは20名のドライバーが1時間掛けて単調な運転課題をこなし、5分おきにドライバーの疲労度をカロリンスカ眠気尺度に基づき評価した。

 

このAIアルゴリズム検証は、ハードウエアで車内の左右のフロントピラーに取り付けられた近赤外線カメラを使用。そこから運転者の目線や頭、表情筋の動きを毎秒複数回撮影・分析することで疲労の予兆を前以て特定するために行われた。

 

こうして行われた今回の眠気・疲労度評価は、欧州連合(EU)によって定められている感度40%の閾値を大きく上回り、ドライバーの眠気を正確に捉える能力を示した。

 

欧州に於ける眠気検知プログラムの車載条件を充分に満たす

 

同成果についてBlueSkeye AIで最高科学責任者を務めるミシェル・ヴァルスター教授は、「私たちの最終目標は、自動車メーカーが既存のカメラとマイクを用いて表情と声を分析するAIの測定結果によって乗員の感情に反応できる車を開発できるよう支援することです。

 

ドライバーの眠気と注意力に関する自社の技術を検証したことで、自社の基盤技術が充分機能していることが証明されました。また、欧州連合(EU)のEuro NCAP Vision 2030による厳格な法的要求も満たしたことで、私たちは自動車ドライバーの眠気検知で、確かな成果を挙げたこことを示せました。

 

また実証テストで、ノッティンガム大学人間工学研究グループ所有で世界最高峰のドライブシミュレータ設備を快く使わせて頂いたこと。併せて弊社の自動車技術の検証テストを支えて頂いたことを心から光栄に思います」と述べた。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。