ドライバーの眠気と注意力に関する感情認識AIを活用した基盤技術を実証
コーンズテクノロジーが、日本国内で総代理店としての役割を担うBlueSkeye AI( ブルースカイAI/本社拠点:英連邦シティ・オブ・ノッティンガム )は、自社開発したドライバーの眠気を的確に検知するAIの実証を、ノッティンガム大学の人間工学研究グループと共同で実施。
その結果、当該の居眠り検知技術は、7月7日に欧州で施行される新法施行に先立ち、関連技術の正当性に対して求められてきた条件を全てクリアした。つまり、これはEUの疲労度評価に則ったアルゴリズム評価に於いて、同社の感情認識AIが自動車へ搭載できるための必要条件を全て満たしたことを意味する。
ちなみに今回、BlueSkeye AI社が開発した感情認識(眠気検出)システムとは、独自の機械学習を介してAIが人間の顔の表情と音声を分析・理解。医学的見地に於いても、客観的な見地に於いても、その場、その場の人の感情を正しく解釈できるというもの。
EUの検証条件を上回る精度で、ドライバーの眠気を正確に捉える
より具体的には、医療現場に於ける臨床医、患者、その場の友人。仕事場や家庭環境に於ける家族の健康状態、気分、眠気、精神状態を精緻に評価。その評価を軸に、正しく治療を施すだけでなく、一切の妥協無しに対象者を見守り続ける用途にも役立つ。つまり、このAI見守りソリューションは、自動車運転者の精神状態、社員の集中度、学校に於ける生徒の授業態度などを皮切りに、より広範囲で利活用できる潜在能力を秘めている。
そんな今回の実証テストは、ノッティンガム大学・人間工学研究グループ所有の没入型曲面スクリーンに囲まれたAudi TTの運転席に座る人物に対して、シミュレータ実証を介して眠気の有り無しを探り当てるべく実施された。テストでは20名のドライバーが1時間掛けて単調な運転課題をこなし、5分おきにドライバーの疲労度をカロリンスカ眠気尺度に基づき評価した。
このAIアルゴリズム検証は、ハードウエアで車内の左右のフロントピラーに取り付けられた近赤外線カメラを使用。そこから運転者の目線や頭、表情筋の動きを毎秒複数回撮影・分析することで疲労の予兆を前以て特定するために行われた。
こうして行われた今回の眠気・疲労度評価は、欧州連合(EU)によって定められている感度40%の閾値を大きく上回り、ドライバーの眠気を正確に捉える能力を示した。
欧州に於ける眠気検知プログラムの車載条件を充分に満たす
同成果についてBlueSkeye AIで最高科学責任者を務めるミシェル・ヴァルスター教授は、「私たちの最終目標は、自動車メーカーが既存のカメラとマイクを用いて表情と声を分析するAIの測定結果によって乗員の感情に反応できる車を開発できるよう支援することです。
ドライバーの眠気と注意力に関する自社の技術を検証したことで、自社の基盤技術が充分機能していることが証明されました。また、欧州連合(EU)のEuro NCAP Vision 2030による厳格な法的要求も満たしたことで、私たちは自動車ドライバーの眠気検知で、確かな成果を挙げたこことを示せました。
また実証テストで、ノッティンガム大学人間工学研究グループ所有で世界最高峰のドライブシミュレータ設備を快く使わせて頂いたこと。併せて弊社の自動車技術の検証テストを支えて頂いたことを心から光栄に思います」と述べた。