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2023年7月17日【ソフトウェア】

ヴァイヤー、アイシンと通園バスの園児置き去り防止策で連携

坂上 賢治

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写真は当該プロジェクトに係るイメージ画像であり、両社のセンサー技術を搭載した対象バスとは異なる4Dイメージング技術のヴァイヤー(Vayyar Imaging Ltd./イスラエル)は7月17日(テルアビブ時間)、アイシンと日本国内に於ける通園バス運行時の園児置き去り防止対策で連携を加速させていくと発表した。

 

両社による当該プロジェクトは、既に1990年代から米国内で乗用車に放置される子供の死亡事故増加が顕著になった事で対応が進められていた。

 

しかし昨年9月、静岡県に於いて3歳の児童がバス内で5時間に亘って置き去りにされた後に亡くなった事件を受け、日本政府が素早く有事立法の起草に動いた事が、日本国内に於ける取り組みを加速させたひとつの契機となっている。

 

 

そんな車両内に於ける子供の存在検知(CPD/子供の車内放置検知)技術は、先の乗用車のみならず、幼稚園、保育園、特別支援学校、その他の障害を持つ子供達のためのデイケアセンターなど、様々な保育サービスを提供する何万台もの通園・送迎バス内でも必要となるもの。

 

そこでアイシンは、ひとまず日本国内の幼稚園等で運用される送迎バスを対象に、ヴァイヤーのレーダーオンチップ技術に基づく4Dイメージングレーダーを活用していく取り組みを加速させている。

 

ちなみにヴァイヤーによると、同社のセンサー技術は、単一レーダーオンチップを介して広視野の解像度を保持し、車両内と車両周囲の広範に検出。複数の静的および動的ターゲットを同時に捕捉する。従って既存の複数の単機能センサーと置き換える事が出来ると謳っている。

 

また今回の車室内に於ける4Dイメージングレーダー(60GHz)では、全乗員の存在・位置・サイズを的確に検出(レーダーは電波を送信して反射波を受信し対象物を把握するため)。これにより子供の存在検知のみならずシートベルトリマインダーやエアバッグ動作の最適化。位置ずれ警告、侵入者検知などにも応えられる。

 

 

一方、車外環境(79GHzシステム)では、駐車支援、自動緊急ブレーキ、車線変更支援、死角検出、交差交通警報、アダプティブクルーズコントロールなどを含むSRR(短距離レーダー)、MRR(中距離レーダー)、LRR(長距離レーダー)アプリケーションを個々の有効範囲を踏まえた上でサポートするという。

 

 

なお今回の取り組みについてヴァイヤー・ジャパンの田口智社長は「車両内で発生する子供の熱中症は、世界中で何千人もの命を奪っており、世界的な協調行動が必要な時が来ています。そんな重要な時期に於いて私達はアイシンと共に、同取り組みに参加出来る事を光栄に思います。

 

我々の4Dレーダーセンサーは、様々な条件下であっても堅牢かつ、プライバシー上の問題も回避出来るのみならず、子供達が車室内のどのような場所に居ても、的確に検出出来る感度を備えています」と話す。

 

 

対してアイシンの早川俊介プロジェクトゼネラルマネジャーは「当社が車両運行に関わる全ての人の命を守る事を目指しているなか、両社のパートナーシップは車内安全の保全に於いて中核技術のひとつとなっています。

 

なかでも今回の幼稚園バスの送迎運行に於いては、子供達の存在検出は不可欠かつ緊急事案であるため、我々は世界をリードする最先端のセンサー技術を必要としています。

 

これを踏まえた上で同社が関わる車内安全環境技術は、シートベルトリマインダーからエアバッグ抑制まで、複数の自動車OEMによっても高く評価されています」と語っている。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。