日本郵船は5月2日、同社グループの郵船ロジスティクス現地法人〝Yusen Logistics(Benelux) (以下、YLBX)〟が、自動車部品の配送に強みを持つオランダの物流会社「Parts Express 」を、4月30日に買収したと発表した。
YLBXは、〝ベネルクス(ベルギー・オランダ・ルクセンブルクの3国)〟を中心に物流事業を展開。特に自動車・ヘルスケア・リテールなど特定産業へのサービスを強みとしているが、今回の買収により、重点事業と位置付ける自動車産業への物流をさらに強化する。
なお今回の買収は、中期経営計画(昨年3月発表)に於いて、物流事業を中核事業として位置付ける日本郵船グループにとって、昨年2月に〝Yusen Logistics(Americas)〟が米国物流会社の「Taylored Services Parent」とその傘下会社を買収した案件、また今年2月に〝International Logistics Group〟が英国でeコマース向け配送プラットフォーム事業会社の「Global Freight Solutions」を傘下に持つ「Noel Topco」を買収した案件に続いて、グループの物流事業を強化するものであると云う。
この買収に際して、Parts Expressゼネラルマネージャーのノーベルト・ヴァン・ダレン氏は、「私たちは、YLBXと共に、グローバル企業の一員となることを嬉しく思います。このステップにより、両社はそれぞれの強みを生かし、既存サービスの充実はもちろん、新たなサービスの機会を得ることができます。両社の専門知識とリソースを組み合わせることで、イノベーションを推進し、お客様にさらに大きな価値を提供できると確信しています。」とコメントしている。
[Parts Expressの概要]
– 会社名:Parts Express B.V.
– 本社:フィアーネン、オランダ
– 事業内容:クロスドックサービス、夜間配送サービス。
– 設立:1892年
– 従業員数:約600名(直接・間接雇用含む)
– トラック運行台数:約400台 (リース・チャーターを含む)
– 年間貨物輸送数:約100万件
<強み>
①自動車の窓ガラスやマフラーなど破損しやすいアフターパーツや運搬が難しい部品の配送に特化するなどで、ベネルクスに於ける自動車部品(アフターパーツ、スペアパーツなど)の配送でトップシェア。
②日本・欧州・米国・韓国などの自動車メーカーや部品メーカーを顧客に持ち、安定した顧客ポートフォリオを構築。
③クロスドック(※)での夜間配送サービスが充実しており、オランダで5カ所、ベルギーで4カ所の拠点を保有。
日本郵船は、今後もグループを通じて、成長エンジンである物流事業への積極投資を続けていくとしている。
※)クロスドック:荷受けした商品を、検品・仕分けを行った後、そのまま配送先へ出荷するオペレーション。倉庫で商品を保管しないため、荷受け~配送までの時間が短い。
*タイトル画像:(左から)YLBX社マネージングディレクターのブルーノ・ジャック氏とParts Expressゼネラルマネージャーのノーベルト・ヴァン・ダレン氏。