横浜ゴムは8月26日、気候変動緩和対応の一環として、国内資源循環による航空業界の脱炭素化を推進するプロジェクト「Fry to Fly Project (フライ・ツー・フライプロジェクト)」に、同月より参画したことを発表した。なお、ゴム製品業界からのこのプロジェクトへの参加は、同社が初であると云う。
このプロジェクトは、企業や家庭で発生する廃食用油を回収して国内で持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel/以下、SAF(サフ))を製造し、航空機の運航に利用するもので、日揮ホールディングスが主導、2024年7月末時点で143の企業、自治体、団体が参加している。
横浜ゴムでは今回、同社がマテリアリティ(重要課題)として掲げている「脱炭素社会・循環型経済への貢献」とプロジェクトの趣旨が合致していることや、航空機向けに飲料水用ウォータータンクや客室内装品などの開発・販売を行っており、航空業界との繋がりも深いことを理由に、プロジェクトへの参画を決定。神奈川県平塚市の本社と平塚製造所の社員食堂から排出される廃食用油を提供し、今後は、この取り組みを国内の他の拠点にも拡大していく予定だと云う。
<SAFについて>
バイオマスや廃食用油など化石燃料以外の材料を使用している航空燃料で、原材料の生産・収集から、製造、燃焼までのライフサイクルで温室効果ガスの排出量を従来燃料より約80%削減できるとされている。日本政府は2030年度までに航空機燃料の10%をSAFにする目標を掲げている。
サステナビリティ・スローガンとして「未来への思いやり」を掲げる横浜ゴムは、今後も事業活動を通じた社会課題への取り組みにより、共有価値の創造を図っていくとしている。