横浜ゴムは8月18日、農業機械用タイヤなどオフハイウェイタイヤ(OHT)のインド生産販売子会社である“Yokohama Off-Highway Tires(ヨコハマ・オフハイウェイタイヤ/以下、YOHT)”の生産能力増強のため、建設を進めてきた「Visakhapatnam(ヴィシャカパトナム)工場(アンドラプラデシュ州)」での生産を開始したと発表した。
新工場は当初、2023年第1四半期の開所が予定されていたが、世界的な需要増への迅速な対応のため、今回前倒しで生産を開始。
これに伴い、8月16日にアンドラプラデシュ州のJagan Mohan Reddy(ジャガン・モハン・レディ)州首相と、在チェンナイ日本国総領事の夛賀政幸氏を招いて催された開所式には、横浜ゴムから取締役常務執行役員OHT事業部長のニティン・マントリ氏が参加。開所式で挨拶に立ったマントリ氏は「品質と生産性において、OHT業界最高水準となる新工場の完成に大変感激しています。この生産能力の増強によって世界中のお客様への商品供給リードタイムを短縮していきます」と述べた。
アンドラプラデシュ州のジャガン・モハン・レディ州首相(左)と横浜ゴムのニティン・マントリ取締役常務執行役員 OHT 事業部長(右)。
YOHTは、現在、インドにDahej(ダヘジ)工場(グジャラート州)と Tirunelveli(ティルネルヴェリ)工場(タミル・ナドゥ州)を有しており、主力ブランドである「ALLIANCE(アライアンス)」、「GALAXY(ギャラクシー)」、「PRIMEX(プライメクス)」といった農業機械、建設車両、産業車両、林業機械用タイヤなどを生産・販売。横浜ゴムは、市場の成長率を大きく上回る成長を続けるYOHTに対して、ダヘジ工場の生産能力を1.6倍に引き上げる拡張に加え、2020年第3四半期からヴィシャカパトナム工場の建設を進めてきた。
新工場の年間生産能力は、第1期が日量69トン(ゴム量)、第2期増強分を加えて日量132トン(ゴム量)を計画しており、第2期の生産開始は2024年第1四半期を予定。また、将来のさらなる能力増強も視野に入れていると云う。
<ヴィシャカパトナム工場の概要>
– 会社名:ATC Tires AP Pvt. Ltd.
– 所在地:インド Atchutapuram(アチュタプラム)工業団地(アンドラプラデシュ州ヴィシャカパトナム)
– 事業内容:オフハイウェイタイヤの生産・販売
– 生産品目:「ALLIANCE」「GALAXY」「PRIMEX」ブランドタイヤ
– 生産能力:日量132トン(ゴム量)※第2期増強分を含む。当初計画から9トン増加。
– 敷地面積:約39万㎡
2021年度から2023年度までの中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(YX2023)(ヨコハマ・トランスフォーメーション・ニーゼロニーサン)」のタイヤ生産財戦略においてOHT事業をさらなる成長ドライバーと位置づける横浜ゴムは、「YOKOHAMA」「ALLIANCE」「GALAXY」「PRIMEX」「AICHI」のマルチブランドによる市場展開と顧客要望への対応力を強みに事業拡大を図ると共に、生産能力増強によりグローバル競争力の強化を加速してくとしている。