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2025年2月14日【事業資源】

横浜ゴム、2025年モータースポーツ活動計画を発表

坂上 賢治

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横浜ゴムは4月14日、2025年のモータースポーツ活動計画を発表した。同社はタイヤ消費財事業に於いて、高付加価値商品の主力であるグローバルフラッグシップタイヤブランド「ADVAN(アドバン)」、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR(ジオランダー)」、「ウィンタータイヤ」の販売構成比率最大化を目指している。

 

その中で、モータースポーツ活動を技術開発および「ADVAN」「GEOLANDAR」ブランド強化の場と位置付け、トップカテゴリーからグラスルーツカテゴリーまでグローバルでのモータースポーツ競技へタイヤを供給する。

 

「ADVAN」では昨年に引き続き、「ADVAN」最大化への挑戦「ADVAN CHALLENGE」を掲げ、「全日本スーパーフォーミュラ選手権」に再生可能原料・リサイクル原料比率をさらに高めたタイヤを供給、「SUPER GT」「ニュルブルクリンク24時間レース」「Pikes Peak International Hill Climb」では昨年を上回る勝利を狙う。

 

またモータースポーツ用タイヤを生産する三島工場での専用ラインでは100%再生可能エネルギー電気の使用を継続し、サステナブルなモータースポーツへの挑戦を推進する。

 

「GEOLANDAR」では「Baja(バハ)1000」、「King of the Hammers」、「The Mint 400」、「アジアクロスカントリーラリー(以下、AXCR)」といった北米、アジアのトップオフロードレースに挑戦し勝利することで、強固なグローバル認知度の確立を目指す。

 

以上を踏まえた主な活動計画は以下の通り。なお、イベントレポートやリザルトは横浜ゴムのモータースポーツサイトや専用の公式SNSなどで情報を発信していくと述べている。

 

フォーミュラレース
– 全日本スーパーフォーミュラ選手権 –
2016年からワンメイク供給を開始した「全日本スーパーフォーミュラ選手権」では、今年からドライ用およびウェット用レーシングタイヤの再生可能原料・リサイクル原料比率を平均で約46%にまで高めたコントロールタイヤを供給する。具体的には再生可能原料・リサイクル原料比率の向上を目指しながら、走行性能のさらなるレベルアップも追求し、特にウェット用タイヤではウォームアップ性能をはじめとしたグリップ性能を高めていく。

 

全日本スーパーフォーミュラ選手権参戦車両(2024年)

再生可能原料・リサイクル原料を使用した 「ADVAN」レーシングタイヤ

GT・ツーリングカーレース
– SUPER GT –
「SUPER GT」はメーカーのワークス勢が主力となるGT500と個性的なチームが競い合うGT300の2つのクラスで争われる。GT500は独自の規則に則った車両が参戦。一方、GT300は自動車メーカーが製造販売する国際規格のFIA-GT3マシンと日本独自のGTA-GT300車両ならびにマザーシャシーが混在し、国内外のバラエティ豊かな車種が競い合う。昨年はGT300クラスでシリーズチャンピオン獲得した。今年はGT500で2台、GT300で15台へ「ADVAN」レーシングタイヤを供給し、GT500クラスは表彰台獲得、GT300クラスは連覇を目指す。

 

〈SUPER GT GT500クラス〉TGR TEAM WedsSport BANDOH「WedsSport ADVAN GR Supra」(2024年)

〈SUPER GT GT500クラス〉KONDO RACING「リアライズコーポレーション ADVAN Z」(2024年)

 

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(GT500クラス)
No.:19
チーム:TGR TEAM WedsSport BANDOH
ドライバー:国本 雄資&阪口 晴南
車名:WedsSport ADVAN GR Supra

No.:24
チーム:KONDO RACING
ドライバー:松田 次生&名取 鉄平
車名:リアライズコーポレーション ADVAN Z
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(GT300 クラス)
No.:チーム
4:GOODSMILE RACING & TeamUKYO
5:TEAM MACH
6:VELOREX
9:PACIFIC RACING TEAM
18 TEAM UPGARAGE
22 R’Qs MOTOR SPORTS
25:HOPPY team TSUCHIYA
26:Team ANEST IWATA Racing
48:NILZZ Racing
56:KONDO RACING
62:HELM MOTORSPORTS
87&88:JLOC(2 台)
360:TOMEI SPORTS
666:seven x seven Racing
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– ニュルブルクリンク24時間耐久レース/ニュルブルクリンク耐久シリーズ –
「ニュルブルクリンク24時間耐久レース(ADAC RAVENOL 24h Nürburgring)」では、昨年総合優勝したScherer Sport PHXをはじめ、Haupt Racing Team、KONDO RACINGと最高峰クラスのSP9 Proクラスに参戦。「ADVAN」レーシングタイヤを供給し、勝利を目指す。また、ニュルブルクリンク耐久シリーズであるNürburgring Langstrecken-Serie(NLS)でも最高峰クラスのSP9 Proクラスに参戦し、より多くの総合優勝を目指す。

 

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チーム:車名
Scherer Sport PHX:Audi R8 LMS GT3 evo II
Haupt Racing Team:Ford Mustang GT3
KONDO RACING:Ferrari 296 GT3

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Scherer Sport PHX「Audi R8 LMS GT3 evo II」

Haupt Racing Team「Ford Mustang GT3」

KONDO RACING「Ferrari 296 GT3」

 

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– Porsche Carrera Cup North America –
世界最速のワンメイクレースと称される「Porsche Carrera Cup」シリーズの最上位レース「Porsche Carrera Cup North America」に、今年も「ADVAN A005(ドライ用)」および「ADVAN A006(ウェット用)」を供給する。同レースはプロドライバーからアマチュアドライバーまでがポルシェ社の911 Carrera(Type 992)をベースに開発された同スペックの911 GT3 Cup(Type 992)で競い合う。また、「Porsche Carrera Cup」シリーズへのステップアップカテゴリーとしてセミプロドライバー向けに開催される「Porsche Sprint Challenge North America by Yokohama」と「Porsche Sprint Challenge USA West by Yokohama」にもワンメイク供給する。

 

〈Porsche Carrera Cup North America〉に参戦する911 GT3 Cup(Type 992)(2024)

 

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– Ford Mustang Cup –
今年から開催されるFordの「Mustang Dark Horse R」によるワンメイクレース「Mustang Cup」に「ADVAN A005(ドライ用)」および「ADVAN A006(ウェット用)」を供給する。

 

Mustang Dark Horse R

 

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– その他のGT・ツーリングカーレース –
タイで行われる「Toyota Gazoo Racing Motorsport」および日本で行われる「インタープロトシリーズ」などに「ADVAN」レーシングタイヤを継続供給する。

 

〈Toyota Gazoo Racing Motorsport〉(2024年)

〈インタープロトシリーズ〉(2024年)

ヒルクライム
– 「Pikes Peak International Hill Climb」 –
米国の「Pikes Peak International Hill Climb」に今年も参戦する。昨年は「ADVAN」レーシングタイヤ装着車が4クラスで優勝した。昨年に引き続き「ADVAN」レーシングタイヤを供給する他、その他のクラスでも多くの車両をサポートし、多くのクラス優勝と総合優勝奪還を目指す。また「Pikes Peak GT4 Trophy by Yokohama」へのワンメイク供給を継続する。

 

Exhibitionクラスで優勝した「ADVAN」装着車両(2024年)

Time Attack 1部門で優勝した「ADVAN」装着車両(2024年)

ラリー・ラリークロス
– 全日本ラリー選手権 –
昨年はターマック(舗装路)向け「ADVAN A051T」「ADVAN A08B」および「ADVAN A052」、グラベル(未舗装路)向け「ADVAN A053」の高性能を武器に、JN-3クラスとJN-4クラスに於いてシリーズチャンピオンを獲得し、両クラスともに2連覇を成し遂げた。今年も最高峰クラス「JN-1」を含め、多くのクラスで優勝を目指す。

 

「ADVAN KTMS GRヤリスRALLY2」(2024年)

「SUBARU WRX S4」(2024年)

 

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ドライバー&コ・ドライバー:奴田原 文雄&東 駿吾
チーム名:NUTAHARA Rally Team
車名:ADVAN KTMS GR ヤリス RALLY2

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ドライバー&コ・ドライバー:新井 敏弘&小坂 典嵩
チーム名:SUBARU Team ARAI
車名:SUBARU WRX S4

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スピード競技
– 全日本ジムカーナ選手権 –
「ADVAN NEOVA AD09」「ADVAN A050」の高性能を武器に今年もドライバーの熱い走りを支え、多くのクラスでチャンピオン獲得を目指す。

 

〈全日本ジムカーナ選手権〉(2024年)

 

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– 全日本ダートトライアル選手権 –
昨年は一般ダートから硬質ダート用の「ADVAN A053」をはじめ、軟質路面用「ADVAN A031」や超硬質路面用「ADVAN A036」など幅広い路面に対応したタイヤラインアップを武器に、PN3、SC1、SC2、Dクラスの4クラスでシリーズチャンピオンを獲得しPN3、SC1、Dクラスは2連覇を達成した。今年もドライバーの熱い走りを支え、多くのクラスでチャンピオン獲得を目指す。

 

〈全日本ダートトライアル選手権〉 (2024年)

 

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– ヨコハマ・モータースポーツ・スカラシップ –
横浜ゴムはモータースポーツ振興促進活動の一環として国内のラリー、ジムカーナ、ダートトライアル競技参加者を支援する「ヨコハマ・モータースポーツ・スカラシップ2025」を実施している。受付期間は2025年4月30日(当日消印有効)まで。同制度は登録したヨコハマタイヤユーザーを支援する制度。対象競技などスカラシップの詳しい内容は専用サイトに掲載している。

 

ヨコハマ・モータースポーツ・スカラシップ2025 専用サイト:
https://www.y-yokohama.com/cp/motorsports/scholarship/

参加型モータースポーツ
「TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge 2025」など各地のサーキットにて開催されるレースなどにタイヤを供給する。

 

〈TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge〉西村公秀選手/奴田原文雄選手「KTMS GRヤリス」(2024年)

「v.Granz」(2024年)

オフロードレース
– 北米オフロードレース –
SUV・ピックアップトラック向けタイヤブランド「GEOLANDAR」を擁し、「Baja 1000」、「King of the Hammers」、「The Mint 400」など北米の主要オフロードレースに参戦し、総合優勝を目指します。昨年「GEOLANDAR」装着車は、「King of the Hammers」や「Vegas to Reno」などのレースに参戦し、計9回のクラス優勝を果たした。

 

〈King of the Hammers〉の「4500 Yukon Gear and Axle Modified」レースで優勝したDuane Garretson選手の参戦車両(2024年)

 

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– アジアクロスカントリーラリー –
今年もアジア最大のクロスカントリーラリー「AXCR 2025」に参戦するチームに「GEOLANDAR M/T G003」を供給します。同レースでは2022年、2023年と2年連続で総合優勝を果たしており、王座奪還を目指す。

 

AXCR 2024で「GEOLANDAR」を装着し4位を 獲得した「トヨタ・フォーチュナー」

AXCR 2024で「GEOLANDAR」を装着し5位を 獲得した三菱自動車の「トライトン」

ドリフト競技
– FORMULA DRIFT® JAPAN(FDJ) –
2024年に引き続き、同レースに参戦するチームにストリートスポーツタイヤ「ADVAN NEOVA AD09」を供給し勝利を狙う。また、FDJ2に「ADVAN NEOVA AD09」を、FDJ3に「ADVAN APEX V601」をワンメイク供給する。

 

「Red Bull GR COROLLA」(2024年)

「FAT FIVE RACING GR SUPRA」(2024年)

 

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– D1 GRAND PRIX –
同レースに参戦するチームにグローバルフラッグシップタイヤブランド「ADVAN」を供給し勝利を狙う。

 

「トヨタ自動車部 CUSCO GR86」(2024年)

 

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横浜ゴムモータースポーツウェブサイト
https://www.y-yokohama.com/cp/motorsports/

 

横浜ゴムモータースポーツ公式SNS
Facebook:https://www.facebook.com/YRCmotorsports/
X:https://twitter.com/yokohama_sport
Instagram:https://www.instagram.com/yokohama_motorsports/
YouTube:https://www.youtube.com/@TheYokohamaRubber

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。