ヤマトホールディングス(以下、ヤマトHD)は5月1日、東南アジア・欧州間で、トラックと鉄道による国際複合一貫輸送サービスを、同日より提供すると発表した。
1.背景および目的
東南アジア地域には、世界各国のエレクトロニクス関連製品や自動車部品などの生産拠点が集まっており、その生産財は世界中の市場へ送られている。
これまで、東南アジアから欧州市場への海上輸送では、最短ルートである紅海ルートが主に利用されてきたが、2023年末頃から武装組織による船舶攻撃が紅海とその周辺海域で継続。これにより、多くの船舶は、南アフリカ共和国の喜望峰を回るルートに迂回することを余儀なくされ、仕向け地到着までの運航日数が最大20日ほど延伸。これに伴う海上運賃・保険料の高騰で、輸送コストも大幅に上昇するなど、世界の物流や経済に影響が及び始めていると云う。
そこで、ヤマトHDは今回、24の国・地域でのグローバルサプライチェーンの構築支援や、マレーシアのグループ会社〝Overland Total Logistic Services(M)(以下、OTL)〟を通じて、2001年から東南アジア各国(※)・中国間に於いてコンテナトレーラーを利用した越境トラック輸送サービスを提供してきた実績を活かし、東南アジア・欧州間に於ける海上輸送や航空輸送に次ぐ新たな輸送手段の一つとして、トラックと鉄道による国際複合一貫輸送サービスを開始。
ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエル・ガザ情勢など、顕在化する地政学的リスクに対応するために重要性がより一層高まっている強靭なグローバルサプライチェーンの構築を支援する。
※シンガポール・マレーシア・タイ・ラオス・ベトナム・カンボジア。
2.サービス概要
東南アジア・中国間はOTLのトラック輸送網を活用し、中国・欧州間ではパートナー企業の鉄道輸送を活用することで、シームレスに最終指定納品場所まで輸送。喜望峰ルートの海上輸送よりも短期間かつ航空輸送と比べて低コスト、少ない温室効果ガス排出量で環境負荷を軽減する。
(1)サービスの流れ(例:タイからドイツへの国際複合一貫輸送)
(2)提供開始日:2024年5月1日(水)
(3)提供区間:シンガポール・マレーシア・タイ・ラオス・ベトナム・カンボジア⇔欧州(ウクライナ・ベラルーシ除く)間。指定の届け先まで輸送。
(4)輸送方法:物量に応じて、コンテナ貸し切りもしくは混載で輸送。
ヤマトHDは、今後もグローバルサプライチェーン全体を最適化するソリューションを提案し、総ロジスティクスコストの削減や生産効率の向上、環境負荷軽減など、顧客のビジネスを支援するとしている。
※タイトル画像:東南アジア-欧州間の輸送ルート(参考)。
[問い合わせ先]
(国内から)
ヤマト運輸株式会社 グローバルロジスティクス部
メール:inquiry@kuronekoyamato.co.jp
(東南アジア域内から)
シンガポールヤマト運輸株式会社 東南アジア地域統括
電話:+65 6595-1854
メール:inquiry@kuronekoyamato.co.jp
(欧州域内から)
欧州ヤマト運輸株式会社 経営企画部
メール:gen.contact@yamatoeurope.com