ヤマハ発動機は、6月19日、同社が開発した小型浄水装置「ヤマハクリーンウォーターシステム」10基のアフリカ西海岸のセネガル川流域に設置し、セネガル政府への引き渡したことを発表した。
本件は、2013年6月に開催された第5回アフリカ開発会議(TICAD V)において、アフリカへの支援策として日本政府が掲げた「1000万人に対する安全な水へのアクセス及び衛生改善」を具現化したもの。同社は日本政府からセネガル政府への無償資金協力案件を落札し、2018年2月より設置工事を進めていた。
今回セネガルに設置された「ヤマハクリーンウォーターシステム」は、「緩速ろ過」という自然界の水浄化機能をベースにしたシンプルな構造が特徴の浄水システム。
河川や湖沼の表流水を原水として、1日に8000リットル(約2000人分)の浄水を供給することができる。
また、大きな電力を必要とせず、凝集剤やフィルターを使用しないため専門技術者によるメンテナンスも不要で、住民による自主運営を可能としている。
ちなみに、同装置は現在、今回のセネガルを含め、アフリカやアジアの新興国を中心に36基が設置(2019年5月末現在)されている。
ヤマハ発動機では、今後も外務省や経済産業省、JICA(国際協力機構)、JETRO(日本貿易振興機構)などの公的機関、UNDP(国連開発計画)など国際機関との連携・協力によって、この小型浄水装置の導入を進めていく予定。
なお、当活動について同社は、自社が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の「目標6:すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する」取り組みの一環であるとしている。