ヤマハ発動機と台湾の電動スクーターメーカーのGogoro社は、両社のビジネスパートナーである住友商事を通じて、台湾市場におけるEVビジネスでの協業に向けた検討を開始した。
協業は、電動二輪車の開発・製造委託およびバッテリー交換システムの共用に関するもので、年内の正式契約を予定している。
ヤマハは、Gogoroの市販車をベースに、ヤマハブランドの電動スクーターのデザインを行い、生産をGogoroに委託。完成車両を、ヤマハの現地法人であるヤマハモーター台湾の販路を通じて、台湾市場で販売。第1弾モデルの投入については、2019年の夏頃としている。
ヤマハは、1966年から台湾二輪車市場に参入し、現在、ヤマハモーター台湾で生産した車種を中心に年間29万台(2017年実績)の二輪車を販売。
電動二輪車分野では、E-VINO(イービーノ)を製造・販売し、日本へも輸出。また、ヤマハモーターR&D台湾では、主に台湾向けのスクーター開発を行っている。
ヤマハは、今回のGogoroとの協業により、台湾市場におけるエンジン車を含めたラインナップ拡充を進め、電動車において、Gogoroが持つバッテリーステーションの活用によるユーザーの利便性向上を図るとしている。
一方のGogoro社は、2015年から台湾二輪車市場に参入。自社製電動スクーターと、簡単にバッテリー交換ができるバッテリーステーションによる新しい電動二輪車ビジネスを展開している。
バッテリーステーションは、Gogoroエナジーネットワーク社によって現在までに台湾で750ヵ所以上に設置され、2019年には1,000ヵ所を超える予定。設置開始から1,700万回以上のバッテリー交換実績を有している。
Gogoroでは、協業による電動二輪車の生産量拡大を見込んでいる。
この協業に関して、ヤマハ発動機の執行役員、MC事業本部長の木下拓也氏は、以下のようにコメントしている。
「このたびの台湾におけるGogoroとの協業は、お客さまのモビリティの選択肢を広げるとともに、先進的なバッテリー交換システムを共用することで、新たなモビリティサービスと市場創出にチャレンジできるものと考えています。」
また、Gogoro社のCEO、Horace Luke氏は、以下のようにコメントしている。
「Gogoroはエネルギーネットワークインフラを活用したオープンプラットフォーマーとして設立、大都市におけるスマートシティ化への変革を推進しています。今回のヤマハとの協業はその実現に向けた大きな一歩であり大変光栄に感じます。」