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2024年9月6日【経済・社会】

ヤマハ、MotoGPでミゲール・オリベイラ選手と契約

坂上 賢治

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ヤマハ発動機株式会社は6月9日、ミゲール・オリベイラ選手と契約を締結した。これによりオリベイラ選手、2025年と2026年、「Prima Pramac Yamaha Factory Team」からMotoGP世界選手権に参戦する。

 

オリベイラ選手は現在、29歳。ロードレース世界選手権で14年目、MotoGPクラスで6年目のシーズンを迎えるベテランライダーで、小排気量クラスから最高峰クラスまで豊富な経験を持ち数多くの好成績を残している。

 

優勝回数は合計17回(MotoGPx5回、Moto2x6回、Moto3x6回)、表彰台獲得回数は合計41回(MotoGPx7回、Moto2x21回、Moto3x13回)。今シーズンは第9戦ドイツGPのスプリントで、2位を獲得し表彰台に上っている。

 

2025年と2026年、オリベイラ選手は、本人にとっては初となる「YZR-M1」を走らせることとなるが、ヤマハ発動機はその日を心待ちにしており、フルサポート体制でチームに迎える。

 

この契約についてYamaha Motor Racingマネージングディレクターのリン・ジャービス氏は、「プロフェッショナルで経験豊富なオリベイラ選手が2025~2026年の2年間、ヤマハのラインアップに加わることとなり非常にうれしく思います。

 

私たちは、MotoGPプロジェクトの一員として彼を心から歓迎します。オリベイラ選手はYZR-M1の性能向上に必要な技術的ノウハウや経験、スピード、正確さを備えたライダーです。ヤマハMotoGPプロジェクトの主要メンバーとして、一緒に仕事ができることを心から楽しみにしており、ヤマハは彼を全面的にサポートしていきます」と述べた。

 

対するミゲール・オリベイラ選手は、「ヤマハのような、二輪モータースポーツ界の象徴的ブランドのライダーになることは大きな名誉です。MotoGPに参戦してきたこれまでの数年間、ずっとこの青いバイクに憧れを持っていました。

 

今や憧れが現実となり、プロジェクトの重要な段階において私を迎えてくれたヤマハには心から感謝しています。ジャービス氏が話し合いのきっかけを作り、最終的に実現まで導いてくれたキーパーソンです。再びトップを目指すヤマハのため、必ずや力になれるものと信じています。

 

この旅をともにしてくれるパオロ・カンピノーティ氏、ジーノ・ボルソイ氏、そしてPramacのスタッフ全員に感謝の気持ちを伝えます。そして、これ以上の喜びはありませんが、新たなチャプターの始まりを心待ちにしています」と語った。

 

ライダープロフィール
生年月日:1995年1月4日
出生地:ポルトガル・アルマダ・プラガル
国籍:ポルトガル
身長:170cm
体重:64kg

 

GPデビュー:2011年/カタールGP(GP125)
MotoGPデビュー:2019年/カタールGP
GP初優勝:2015年/イタリアGP(Moto3)
MotoGP初優勝:2020年/スティリアGP
GP優勝回数:17回((MotoGPx5回、Moto2x6回、Moto3x6回)
GP表彰台回数:41回(MotoGPx7回、Moto2x21回、Moto3x13回)
スプリント表彰台回数:1回(2024年ドイツGP)
ポールポジション回数:5回(MotoGPx1回、Moto2x2回、Moto3x2回)

 

主な成績
2024年:MotoGP世界選手権:ランキング13位(60ポイント)第12戦アラゴンGP終了時
2023年:MotoGP世界選手権:ランキング16位(76ポイント)
2022年:MotoGP世界選手権:ランキング10位(149ポイント)
2021年:MotoGP世界選手権:ランキング14位(94ポイント)
2020年:MotoGP世界選手権:ランキング9位(125ポイント)
2019年:MotoGP世界選手権:ランキング17位(33ポイント)
2018年:Moto2世界選手権:ランキング2位(297ポイント)
2017年:Moto2世界選手権:ランキング3位(241ポイント)
2016年:Moto2世界選手権:ランキング21位(36ポイント)
2015年:Moto3世界選手権:ランキング2位(254ポイント)
2014年:Moto3世界選手権:ランキング10位(110ポイント)
2013年:Moto3世界選手権:ランキング6位(150ポイント)
2012年:Moto3世界選手権:ランキング8位(114ポイント)
2011年:GP125世界選手権:ランキング14位(44ポイント)

 

経歴
オリベイラ選手は2005年と2006年の2年連続でポルトガルMiniGP選手権のチャンピオンを獲得。2009年はFIM CEV Repsol Championshipでランキング3位、2010年にはマーベリック・ビニャーレス選手と最終戦までタイトルを争うも2ポイント差でランキング2位となった。

 

2011年にロードレース世界選手権のGP125にデビューし、2012年は「Estrella Galicia 0,0」からフル参戦して表彰台を2回獲得。2013年には「Mahindra Racing」に加入してマレーシアGPでインドのメーカーに初表彰台をもたらす。翌2014年もチームに留まると、オランダGPで2度目の表彰台を獲得。2015年には「Red Bull KTM Ajo」に加入した。

 

2015年は序盤で苦戦するも、イタリアGPとオランダGPで優勝。しかしその後のドイツGPでは手首を骨折し、ライバルのダニー・ケント選手に110ポイント差をつけられる。復帰後に挽回を目指したオリベイラ選手は終盤の6戦で優勝4回、2位2回と活躍。ポイント差を縮めて6ポイント差まで迫り、ランキング2位を獲得した。

 

2016年はケント選手とともに「Leopard Racing」からMoto2に昇格したが、怪我もあり奮わず。

 

2017年には「Red Bull KTM Ajo」に戻ると、初優勝を含む活躍でランキング3位と健闘。さらに2018年も好調を維持してランキング2位と活躍し、翌2019年にはMotoGPにステップアップし「Red Bull KTM Tech 3」から参戦を開始した。

 

最高峰クラスのデビューシーズン、オリベイラ選手は、オーストリアGPの8位など印象的な活躍を見せていたが、イギリスGPで負傷、オーストラリアGPで大きな転倒があり、終盤3戦を欠場し、冬季テストも欠席することになった。

 

引き続き「Red Bull KTM Tech 3」から参戦した2020年は、スティリアGPの最終ラップ、最終コーナーでトップを奪い、KTMで2人目となる最高峰クラス優勝。さらにホームの最終戦ポルトガルGPで2度目の優勝を成し遂げた。

 

2021年はブラッド・ビンダー選手のチームメイトとして「Red Bull KTM Factory Racing」に加わり、バルセロナでの優勝を含む3回の表彰台に上った一方で、怪我にも苦しめられてアップダウンの激しいシーズンとなった。

 

2022年はドライ・コンディションでは苦戦したものの、ウエット・コンディションで強さを見せ、インドネシアGPとタイGPで自己通算4度目と5度目となる優勝を果たした。2023年には6年間在籍したKTMを離れて「RNF Aprilia」へ移籍。しかし開幕戦のポルトガルGPとスペインGPで負傷し、シーズン前半戦は苦戦が続いた。

 

イギリスGPでシーズンベストの5位と健闘するも、カタールGPでも転倒負傷し、実力を出し切れないままシーズンを終えることとなった。2024年は、「Trackhouse Racing Aprilia」から参戦中で、ドイツGPのスプリントで2位獲得と健闘している。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。