ヤマハ発動機は8月30日、「Yamaha Clean Water Supply System」が、令和3年第1回目の外務省主催「脱炭素技術海外展開イニシアティブ」に採択されたことを発表した。
気候変動問題はグローバルな課題であり、脱炭素社会の実現に向けて、各国の具体的な削減努力が求められている。日本では、優れた脱炭素技術に支えられ、2014年以降6年連続で温室効果ガス排出量削減している一方で、多くの途上国では技術の導入がされておらず、取組強化が急務となっている。
脱炭素技術海外展開イニシアティブは、日本企業と日本のNGOが協力しつつ、日本企業が有する高度な脱炭素技術を支援を必要とする開発途上国に提供する仕組みだ。
Yamaha Clean Water Supply Systemは世界各地で使われてきた「緩速ろ過方式」をベースに、改良を加えた途上国の村落向け浄水装置。世界中の安全な水にアクセスすることが難しく、表流水などの改善されていない水を飲用せざるえない地域で主に導入されている。
再生可能エネルギーである太陽光を電源として利用可能で、凝集剤や膜を使用しないため運用による環境負荷が低く、河川や湖沼の表流水を原水にYCW-008Aでは1日に8,000リットル(約400世帯)の浄水を供給することができる。安全な飲料水へのアクセスを確保するとともに、水を煮沸消毒する際の薪の消費量の削減によって脱炭素化に貢献する。
また、シンプルな構造から、メンテナンスが容易であることもYamaha Clean Water Supply Systemの特徴で、ヤマハ発動機は、この事業を通じSDGsの目標6「すべての人々に水と衛生へのアクセスを確保する」の達成に貢献している。