ヤマハ発動機は、農業用マルチローター(通称ドローン)のラインアップに、「自動飛行」が可能な「YMR-08AP」を追加し、3月に発売する。
「YMR-08AP」は、自動散布(オートパイロット)による省力化や、専用ソフト「agFMS(※1)」による簡単なルート作成を通じた効率化、高精度ルート追従による作業性向上など、「自動機」ならではの機能・性能を備えたモデル。
昨年3月に発売開始した「YMR-08」同様、1回のフライトで1ヘクタールの連続散布(※2)が可能で、同社の産業用無人ヘリコプターに匹敵する散布品質を実現。加えて、液剤散布装置の散布幅を4mから5m、自動機本体の速度と連動する散布速度を15km/hから20km/hに変更することにより散布性能を向上(※3)させた。
また粒剤散布装置の取り付けも可能で、内部ローラーを交換することで幅広い適用剤の散布要望に応えると云う。
※1:Agriculture flight management systemの略。農業に特化したアプリケーション。
※2:平地での連続散布を想定。圃場条件により異なる。
※3:1ヘクタール当たりの散布時間を約4分短縮。圃場条件により異なる。
ヤマハ発動機では、製品のみならず、スマート農業支援プラットフォーム「Yamaha Motor Smart Agriculture Platform(YSAP)」を展開しており、スマート農業に取り組む企業との提携を通じて、生育状況に応じた最適なタイミングの防除や追肥作業の計画管理も提供。
今後も、農家や営農指導員の作業効率化を促進し、蓄積されたデータに基づいた高効率・高精度な防除・追肥作業を実現することで、より付加価値の高い農業経営の推進とスマート農業発展への貢献を目指すとしている。
※4:機体、送信機、送信機用バッテリー、送信機用バッテリー充電器、基準局モジュールを含む(機体用バッテリー、機体用バッテリー充電器、機体用バッテリー充電ケーブル、測量モジュール、液剤散布装置、粒剤散布装置は別売り)。
[YMR-08AP(自動機)で実現できることの主な例]
1.高精度な測位が可能となるRTK方式を採用。
2.専用ソフト「agFMS」による二つの簡単ルート作成。
①基準局・測量モジュールによる散布ルートの自動生成、飛行軌跡の保存が可能。
②MAP上での散布ルートの自動生成、飛行軌跡の保存が可能。
3.散布ルートによる圃場内飛行(加速/減速域含む)。
4.枕地散布不要なルート設定。
5.GPS制御不可時の位置保持機能(ホバリング)ほか。
[YMR-08と共通の特徴]
・農薬を、作物の根本まで届けるダウンウォッシュ(下降気流)性能。
・ オペレーター操作の負担軽減と散布精度の均一化を目的とした3種類のフライトモード(ノーマルモード、自動クルーズコントロールモード、自動ターンアシストモード)選択機能。
・ 国内メーカーと専用開発したジャパン品質のバッテリーとモーター。
・ スピーディーな交換作業ができるカートリッジ式のバッテリー。
・ 衝撃低減、飛散防止を図るカーボン製ハイブリッドローター。
・ 作業車に簡単に積み込むことができる可搬性に優れた折りたたみ式のコンパクトな機体設計。
・ 造形美と機能美が融合した所有する喜びを感じられる機体デザイン。
[バッテリーレンタルを開始]
YMR-08APの発売開始に併せて、対象バッテリーのレンタルサービスを開始する(YMR-08も対象)。
レンタルサービスでは、ヤマハ発動機による年一回の品質チェック、メンテナンスを実施したバッテリーを貸与。シーズンを通して、ドローン性能の発揮を支援し、農業現場におけるスムーズな作業を実現する。また、農業用マルチローターの新規導入の場合には、コスト削減もできる。
[YMR-08AP 主要諸元]
※1:最大離陸重量目安。
※2:性能は気温等によって変わることがある。
■(ヤマハ発動機)産業用マルチローター:https://www.yamaha-motor.co.jp/ums/