自動車技術会は5月26日、第71回自動車技術会賞の受賞者を決定し、以下の通り発表した。
自動車技術会賞は、1951年に自動車工学および自動車技術の向上発展を奨励することを目的に設けられ、自動車技術における多大な貢献・功績に対して贈られるもの。今回は、技術貢献賞2件、浅原賞学術奨励賞4件、浅原賞技術功労賞2件、論文賞9件、技術開発賞8件が選出された。
[自動車技術会賞受賞者]
■技術貢献賞(2件)
<氏名、所属、受賞業績>
– 石濱 正男、神奈川大学、自動車振動騒音性能の抜本的な向上を可能とする音質・構造・制御技術開発への貢献
– 山川 正尚、マツダ株式会社、高効率ガソリンエンジンの技術開発と実用化への貢献
■浅原賞学術奨励賞(4件)
<氏名、所属、受賞業績>
– 中村 優佑、広島大学、Identification of the vortex around a vehicle by considering the pressure minimum
– 伊藤 直也、マツダ株式会社、多段ガソリン高圧噴射を用いた圧縮着火燃焼の制御
– 菅井 友駿、トヨタ自動車株式会社、Bayesian Active Learningのエンジンマウント特性設計への応用
– 岡 耕平、株式会社いすゞ中央研究所、Improvement in Selective Catalytic Reduction Model Accuracy for Predicting NOx Conversion at High Temperature
■浅原賞技術功労賞(2件)
<氏名、所属、受賞業績>
– 大宮 康裕、株式会社豊田中央研究所、トライボロジーによるエンジンの効率・信頼性向上への貢献
– 加古 純一、トヨタ自動車株式会社、内燃機関、パワートレーンの制御技術開発による自動車の高効率化・クリーン化への貢献
■論文賞(9件)
<氏名(筆頭者)、所属、受賞業績>
– 羽田 昌敏、株式会社豊田中央研究所、重心まわりの角運動量を用いたドライバ動的姿勢保持動作の分析
– 津田 豊史、スズキ株式会社、高温還元したRh触媒の排気ガス浄化反応と反応機構解析
– 牧田 光弘、日産自動車株式会社、乗員の快適性を向上させる車両運動の探求
– 井上 健太郎、株式会社本田技術研究所、電磁鋼板のプレス打ち抜き影響を考慮したモータ回転子の疲労寿命予測
– 古瀬 航、東京大学、Lateral Localization via LIDAR-Based Road Boundary Extraction on Community Roads
– 松野 真由美、一般財団法人 日本自動車研究所、ディーゼルパティキュレートフィルタ内のアッシュ堆積および輸送に関する研究(第4報)-アッシュ輸送の観察およびアッシュ堆積形態の詳細解析-
– 野村 壮史、株式会社豊田中央研究所、異方性トポロジー最適化とTailored Fiber Placementによる連続繊維複合材料軽量自動車部品の設計試作
– 奥井 伸宜、独立行政法人 自動車技術総合機構、Battery in the Loop Simulationを活用した電気重量車の電力消費率評価の可能性検討
– 丹山 翔太、トヨタ自動車株式会社、平面運動とロールの連成を考慮したトリプルスカイフック制御の研究
■技術開発賞(8件)
<氏名(筆頭者)、所属、受賞業績>
– 矢ヶ崎 徹、本田技研工業株式会社、「進化型CVT金属ベルト」世界最高動力伝達効率の追究
– 森田 智也、ダイハツ工業株式会社、高板厚比 難板組みスポット溶接方法
– 冨田 誠、トヨタ自動車株式会社、SUV用PHEVシステム技術
– 荒川 祐次、トヨタ紡織株式会社、ワンモータ式パワーシートの開発
– 谷口 洋平、日産自動車株式会社、高速道路複数車線の運転支援システムの開発
– 濱谷 尚志、トヨタ自動車株式会社、コンパクト車向け1.5Lハイブリッドシステム
– 小平 剛央、マツダ株式会社、高い開発効率を実現した多目的設計最適化とデータ分析を用いた知的発見的設計支援手法
– 山根 貴和、マツダ株式会社、世界中の腐食環境に対応できる腐食シミュレーション技術の開発
[自動車技術会賞の種類と概要]
■学術貢献賞/技術貢献賞
第3代会長 楠木直道氏、第6代会長 荒牧寅雄氏、第9代会長 齋藤尚一氏、第10代会長 中川良一氏、伊藤正男氏の各氏から提供された基金をもととする賞。
・学術貢献賞:自動車に関する学術の進歩発達に貢献しその功績が顕著な個人に贈られる賞。
・技術貢献賞:自動車に関する技術の進歩発達に貢献しその功績が顕著な個人に贈られる賞。
■浅原賞学術奨励賞/浅原賞技術功労賞
初代会長 浅原源七氏の提案により昭和26年に創設された賞。
・学術奨励賞:満37才未満であって、過去3年間に自動車工学又は自動車技術に寄与する論文等を発表した将来性ある新進の個人に贈られる賞。
・技術功労賞:永年、自動車技術の進歩向上に努力した功労が大きく、かつ、その業績が世にあまり知られていない個人に贈られる賞。
■論文賞/技術開発賞
第3代会長 楠木直道氏、第6代会長 荒牧寅雄氏、第9代会長 齋藤尚一氏、第10代会長 中川良一氏、伊藤正男氏の各氏から提供された基金をもととする賞。
・論文賞:過去3年間に自動車工学又は自動車技術の発展に寄与する論文を発表した個人および共著者に贈られる賞。
・技術開発賞:過去3年間に自動車技術の発展に役立つ新製品又は新技術を開発した個人および共同開発者に贈られる賞。
■(自動車技術会)自動車技術会賞・技術教育賞リーフレット(PDF):https://www.jsae.or.jp/PR/2021/PR21003/docu/shosai_71.pdf