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2024年9月19日【MaaS】

ウィラー、青森・奥入瀬渓流エリアで自動運転の初実証へ

坂上 賢治

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3種の自動運転サービスの提供を通じて観光地としての魅力向上を目指す

 

WILLER(ウィラー)、TIER Ⅳ(ティアフォー)、BOLDLY(ボードリー)、ゲキダンイイノ(イイノ)の4社は9月19日、青森県と連携して青森県の奥入瀬渓流エリアを舞台に自動運転サービス導入を見据えた実証実験を10月21日~27日に実施する。

 

全国屈指の自然観光地である奥入瀬では、環境保全を主目的にマイカー交通規制の社会実験が実施されており、更には奥入瀬(青橅山)バイパス整備事業も進められている。

 

バイパス完成後は、奥入瀬渓流と並行する国道の約10㎞区間に交通規制を導入し、天然の自然博物館「奥入瀬フィールドミュージアム(OFM)を高付加価値により観光コンテンツ化。その上で新たな交通システムを導入する予定を立てている。

 

そこで今回は、新交通のうち渓流内交通を対象に、持続可能かつ高付加価値なサービス提供を目指し、自動運転の実証実験を実施する。従って今回の実証実験の主なポイントは以下3点となる。

 

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(1)シャトルバス、観光バス等限られた車両と歩行者が混在する環境下で、同期間に3種の自動運転車両が走行する。

 

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(2)走行する車両は「MiCa」「GSM8」「iino type-S1300」で、「MiCa」と「GSM8」はエコツアーガイドが同乗し高付加価値化したツアーとしてのモビリティサービスを、「iino type-S1300」は歩くことを補完し観光コンテンツとして楽しみながら移動できるモビリティサービスを提供する。なお、「GSM8」は、県内へ水平展開のために地域のバス事業者(ジェイアールバス東北株式会社)が運行を担う。

 

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(3)走行空間の実証として、安全性を高める路面サインや看板の設置や、社会受容性を高める映像の放映も実施する。

 

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参画4社は、この実証を通じてOFMとしての高付加価値化した自動運転サービスの創造による奥入瀬の観光地としての魅力向上と、青森県内初の自動運転実証実験を通して県内におけるレベル4での自動運転の社会実装を目指す構えだ。

※なお同実証は、国土交通省の令和5年度「地域公共交通確保維持改善事業費補助金(自動運転社会実装推進事業)」 および「走行空間の技術的検証を目的とした自動運転実証実験補助金」を活用し、青森県の委託により実施する。

 

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<詳細>
◆日程
BOLDLY「MiCa」:10月21日(月)~27日(日)の計7日間
ティアフォー「GSM8」:10月23日(水)~27日(日)の計5日間
ゲキダンイイノ「iino type-S1300」:10月25日(金)~27日(日)の計3日間

 

◆運行スケジュール
詳細は特設サイト(後述)で確認されたい。

 

◆運行ルート
BOLDLY「MiCa」:石ケ戸~雲井の滝 約2.8㎞
ティアフォー「GSM8」:雲井の流れ~子ノ口 約4.0㎞
ゲキダンイイノ「iino type-S1300」:雲井の滝~雲井の流れのうち約0.7㎞

 

◆車両

 

◆体制

実施主体:青森県

事業統括:WILLER株式会社(一部車両の保安員としての役割も担う)

実施事業者:
 - 株式会社ティアフォー(車両提供・運行主体はJRバス東北・運手補助は社内)

 - BOLDLY株式会社(車両提供・運行主体・運手補助は社内)

 - ゲキダンイイノ合同会社(車両提供・運行主体・運手補助は近接監視・保安員)

協議会:奥入瀬十和田利活用協議会

 

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◆乗車方法
– BOLDLY「MiCa」:事前予約制
– ティアフォー「GSM8」:事前予約制
– ゲキダンイイノ「iino type-S1300」:事前予約不要

 

◆予約:特設サイト:https://travel.willer.co.jp/maas/autonomousdriving-oirase/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。