
WHILLは3月28日、スペインのバルセロナ=エル・プラット空港(バルセロナ空港)とイタリア・ローマのフィウミチーノ空港の、其れ其れに於いて「WHILL自動運転サービス
」が運用開始されたことを明らかにした。
そんなWHILLは2012年5月に日本で創業し、「すべての人の移動を楽しくスマートにする」をミッションとして、約30の国と地域で近距離移動のプロダクトとサービスを展開している。主な事業は、近距離モビリティ ウィルの開発・販売、およびウィルを活用して気軽な移動体験を提供するモビリティサービス(法人レンタル/自動運転)だ。
同社は、たとえ近距離移動であっても他の移動手段では行けなかった歩行領域(歩道・屋内外)の移動をカバーすることで、誰もがどんな場所にもつながる世界を構築する。
今回は、WHILLが旅客に提移動サービスを提供し、近距離移動そのものをDX化することで、高齢化や旅行需要増に伴うサービススタッフの身体的負担の軽減や省力化を目指す。なお欧州でのサービス提供は同社でも初となる。今回は関係各者らとトライアルを重ね、安定運用と利用客からの反響を受けて実現した。
来たる2050年には60歳以上の人口が21億人に達すると予測され、世界的に高齢化が加速化するなか、歩行を含む移動時のサービス提供が航空業界の課題として浮上している。従ってそうしたニーズに応えるべく航空業界各社は試行錯誤を重ねている。
特に最近は、空港内における車椅子の介助サービスの需要増や待ち時間の延長、介助スタッフの身体的負担増などが課題となり、運営コストや人的リソース不足に係る解決策の模索が続いている。
そうした背景から、WHILL自動運転サービスがバルセロナ空港とフィウミチーノ空港で導入されるに至った。バルセロナ空港ではターミナル1の保安エリア内に2台が運用され、A、B、C全エリアの搭乗ゲートを結ぶルートをカバーする。
具体的には、これから出発する旅行者を目的の搭乗ゲートまで送り届ける他、乗り継ぎでゲート間を移動する際や、到着ゲートまで迎えに行き、所定の場所まで送り届ける際など幅広い用途で活用される見込みだ。
一方のフィウミチーノ空港ではターミナル3の保安エリア内で4台が運用され、約30カ所の搭乗ゲートと3カ所のラウンジに向かうことができる。対応言語は13言語にも及び、旅行者は運営スタッフの操作によって目的地が設定されたWHILL自動運転モビリティに乗車するだけで、指定の場所まで移動することが可能になる。また降車後は、元の場所や次の旅行者が利用する場所まで無人で帰っていく。
結果、従来は人が担っていた車椅子介助サービスをWHILL自動運転サービスに置き換えることで、スタッフの負担軽減だけでなく、安定した移動サービスの提供を通じた、あらゆる旅行者の満足度向上に貢献する。WHILL社では、「引き続き、航空業界の各ステークホルダーと密に連携しながら、WHILL自動運転サービスのグローバル展開を通じ、世界中の旅客の安心快適な移動利便性を向上させることを目指してまいります」と話している。