ボルボ・トラックス(瑞典・Volvo Trucks)は3月15日、韓国でBEVトラックの販売を始めた。目下、韓国の運送事業社はボルボブランドの3タイプのBEVトラックを注文出来るようになる。
ちなみに韓国には、CO2排出量を削減するための国家計画があり、来たる2050年を期限としたカーボン ニュートラル達成を目標に据えている。そうしたなか輸送車両の電化はスムーズにCO2を削減させるための重要な手段のひとつだ。
これを受けてボルボ・トラックスは、自社の車両ラインナップが炭素中立を目指す政府と運送会社の野心的目標の実現へ大いに役立つと主張している。
ボルボ トラックス・インターナショナルのパー・エリック・リンドストローム( Per-Erik Lindström )シニア バイス プレジデントは、「韓国でまとまった量の貨物輸送を担えるBEVトラックの販売を始動させるには、今が丁度いいタイミングだと思います。それは2050年までに運輸部門のCO2排出量を削減するには、今が重要なターニングポイントにあるためです。
一方、国際市場全域での炭素中立を目指している我々らとって、果たすべき目標は、世界中で走る新型トラックの半分を来たる2030年までに全て電動車に置き換える事です。
当社は2019年に100パーセント電気で走るEVトラックの生産を開始して以来、世界38か国以上で4,300台以上の電動トラックを販売しています。
つまりボルボ トラックスは、大型EVトラックの量産を開始した世界初のトラックメーカーであり、今日に於いても合計6車種のBEVトラックを筆頭に幅広い電動車ラインナップを揃えています。今回、これらのモデルのうち3モデルが韓国で販売されます。
そんな韓国で、我々の電動車ラインナップは都市部の配送や、ごみ処理、地域の輸送や建設交通に至るまで、様々な種類の輸送ニーズに対して100パーセント応えていけると考えています。
例えば我々がヨーロッパで蓄積した輸送事業に係る統計によると、全ての貨物輸送のほぼ半分が300キロメートル未満の範疇で運ばれています。
これは運送事業者が地域毎に持つ車両の発着拠点で、手軽に充電出来るBEVトラックを使うにより、運輸事業上に於ける輸送ルートの大部分を電化出来る事を意味しています。
こうした今日の状況は、欧州のみならず東アジアの国々を含み、ほとんどの国で似通っています。大量の貨物輸送をカーボンフリーを保ちながら担っていくためには、BEVトラックが互いの輸送距離を繋ぎながら上手く機能させる事で実現します。
従って今後、充電ステーションの拠点網が、それぞれの国毎の公共ネットワーク上で拡大されれば、更に多くの交通機関が電化されていく可能性があります。
というのは、どの国に於いても車両が電動化へと移行していく速度は、当局政府の意志決定に大きく依存しているからです。
例えば輸送部門の電化を急ぐ進歩的な政府の場合、税制や経済的インセンティブと環境ゾーンの拡大施策を組み合わせて、電動車の普及を加速させている事が分かります」と結んでいる。