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2022年10月7日【ESG】

ボルボ、アマゾンへ20台の大型電動トラックを供給

坂上 賢治

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20台のボルボFHエレクトリックが年間100万キロメートル以上を走破する

 

ABボルボ傘下のボルボトラックスは中央欧州時の10月6日、今年度末までに流通大手アマゾンのドイツ国内拠点に大型BEVトラックを納入すると発表した。( 坂上 賢治 )

 

納入予定の20台のボルボFHエレクトリック( Volvo FH Electric )は、これまで貨物輸送で使用されていたディーゼル燃料の代わりに、電気をエネルギー源として年間100万キロメートル以上を走破するようになる。

 

 

今日のドイツ国内で、重量物運搬車を含むその他の商用車の稼働規模はとても大きく、国内輸送に於ける二酸化炭素排出量の約36パーセントを商用車による輸送が占めている。

 

このため道路輸送事業者の脱炭素化への取り組みは、経営上で重くのし掛かる最重要事案となっている。従って物流大手のアマゾンにとってもトラック輸送に於ける脱炭素化は最重要であり、火急に電化へ切り替えるべく積極的に取り組んでいる最中にある。

 

 

流通最大手のアマゾンの二酸化炭素削減策は欧州へ対して大きな変革をもたらす

 

こうした同社の電気エネルギー施策に掛かる取り組み姿勢について、ボルボ トラックスで製品管理担当のシニアバイスプレジデントを務めるジェシカ サンドストロム氏は、「この地球上で輸送業界の最大手事業者であるアマゾンが、二酸化炭素排出量の削減に取り組む事は、欧州全域の輸送事業者へ対して大きな変革をもたらします。またその主導的な姿勢は、私達にとっても重要な意味を持っています。

 

我々ボルボトラックスが、そうしたアマゾンの積極的な取り組みに協力し、より重く長い輸送領域で二酸化炭素排出量の削減へ貢献出来る事をとても光栄に思っています。

 

 

我々ボルボ トラックスは、今年9月に大型電気トラックの量産を開始しましたが、これにより都市間の地域輸送用分野でBEVトラックが活発に利用出来る環境になりつつある事は、欧州全域に於ける道路輸送の脱炭素化にとって大変重要なマイルストーンであると考えています。

 

現在は、商品輸送で脱炭素化を求める消費市場に応えるべく、輸送産業では電化に対する需要が日増しに拡大しつつあります。

 

当社では、これに応えて世界規模で6種類のBEVトラックを受注出来る体制を整えています。これは、近未来の気候変動の影響を出来る限り軽減させるためにも大きな前進だと私達自身も自負しているところです」と話す。

 

 

物流ターミナルや営業所を繋ぐ中間物流は最も二酸化炭素削減の実施が難しい

 

特に重量輸送に応える大型車のボルボFH、ボルボFM、ボルボFMXトラックは、2030年時点で、全ての取扱い車両の5割を電動車に変えていくというボルボ自身の目標達成に於いて重要な役割を果たすだろう。

 

と言うのは、これらFH・FM・FMXの大型BEVトラックは、総重量44トンに対する欧州地域の輸送事業者が求める期待に応えるだけでなく、実は、この3モデルが同社の売上高の約3分の2を占めているからである。

 

 

一方で今回、大型BEVを導入する立場のアマゾンにとっても、こうした大型BEVトラックが最も二酸化炭素排出量が大きな区間の輸送領域で、ディーゼル車両に取って代われる可能性を持っているため、二酸化炭素の大幅削減で重要な役割を果たす。

 

アマゾンで欧州担当バイスプレジデントとして輸送サービスを担うアンドレアス・マーシュナー氏(Andreas Marschner)は、「当社は精力的に車両の脱炭素化に取り組んでいます。しかし物流ターミナルや営業所、物流倉庫などを繋ぐ中間物流(middle mile logistics)は特に二酸化炭素量の削減が難しいセクターです。

 

それゆえにバッテリー容量540kWh、出力490kW、航続距離300キロメートルのボルボの大型BEVトラックをこの度、当社が迎えられる事は、それ自体が非常に重要なマイルストーンでもあるのです。

 

 

これにより我々は、世界でも最も進んでいる商用輸送の電化プログラムに携わる事になります。 今後当社は、より一層の脱炭素化を推し進め、ゼロエミッション体制でお客様へ物流サービスを提供するべく、更なる投資と事業革新を重ねていきます」と述べている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。