カーシェアと再生可能エネルギーの地産地消率向上の両立を目指す
中部電力、中部電力ミライズ、デンソーの3社は3月から、BEVを活用したエネルギーマネジメントシステム(EMS/エネルギー使用状況を情報通信技術によって可視化し、効率的な機器の制御等を行う仕組み)の試験導入を行う。
まずは中部電力ミライズが、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と共同で「Karuizawa Commongrounds」内の書店やカフェなどの店舗、近隣の居住エリアに太陽光発電設備を設置した上で充放電機能を有するBEVを導入。
このBEVを、コミュニティの利用者を対象としたカーシェアの車両とコミュニティ内の電気需給に合わせて、再生可能エネルギーを充放電する蓄電池として活用する。
これを受けて中部電力、中部電力ミライズ、デンソーの3社は、カーシェアの利便性を損なわずに、BEVの蓄電池としてのエネルギーマネジメント効果を最大化する方程式を解き明かすべく、コミュニティ内で再生可能エネルギーをシェアするEMSを活用しつつ運用の最適解を探っていく。
エネルギーマネジメントのイメージ
なおEMSを波及させる範囲は、BEVとコミュニティ内の書店・カフェなどの店舗の空調などを制御対象とする。
これにより中部電力が提供するEMS、デンソーが提供するBEVのEMS、及び中部電力ミライズが提供するカーシェア予約管理システムとを連携。当該の街区内に於いてカーシェアとEMSを両立させて最適な運用スタイルを模索していく。
なお今回の運用改善ではCCCが軽井沢のライフスタイルを提案するべく地域の交流を育むコミュニティ施設を3月1日に中軽井沢にオープン。同施設に対して中部電力ミライズが高圧一括受電サービスを提供する構え。
この結果、活動3社は今後の普及拡大が見込まれるBEVを用いた再生可能エネルギーシステムの導入効果と導入拡大を求めていくと共に「Karuizawa Commongrounds」での運用成果を他地域を含めた新たな訴求事案として提供。新たな価値を踏まえカーボンニュートラル社会の実現に貢献していく。
試験導入の概要
1)場所:
長野県北佐久郡軽井沢町長倉鳥井原1690-1
2)内容:
AI技術を活用した電力需要予測、太陽光発電予測、BEVのSOC(State Of Chargeの略。充電率や充電状態を表す指標)予測、カーシェア予約情報等に基づき、最適なBEV充放電や空調運用を行い、環境性向上を目指す。
2−1:
カーシェアとEMSを両立するSOC制御
2−2:
BEV及び空調特性を踏まえた電力ピークカット制御
2−3:
太陽光発電余剰電力をBEVに蓄電することによる地産地消率最大化制御(カーシェア予約情報等を踏まえたSOC制御)