ISOUプラットフォームの平常時・災害時の利用イメージ
TISは6月21日、災害時のエネルギーインフラ復旧までのリードタイムを短縮する減災施策として、電気自動車(EV)に蓄えた電気を建物内で利用するシステム(Vehicle to Home、以下「V2H」)の効率的な活用方法を、実証実験を通じてISOUプラットフォーム上で確立したことを発表した。
このしくみの実用性は、山梨県北杜市にて気候変動対策・エネルギー対策・持続可能な社会づくり等に取り組む一般社団法人ゼロエミやまなし(以下「ゼロエミやまなし」)と共に、2021年3月に実証実験にて検証した。
アプリトップ画面
TISは、地域の次世代交通・エネルギー問題の解決を通じて、地域の活性化とエネルギーの地産地消を促進するしくみの構築を目指している。その実証実験の第1弾として、2019年に北海道厚沢部町で「ISOU PROJECT」を実施した。
今回の実証実験は、ISOU PROJECTで開発したMaaSシステムに、V2Hの活用シーンを拡充する充放電指示アプリを実装して災害時にも自走可能な地域社会のしくみづくりを実現し、ISOUプラットフォームを通じて循環型地域社会への貢献を目指すもの。
山梨県北杜市で行った実証実験では、北杜市で大規模停電が発生したと想定し、アプリの配車機能を活用して地域EVに充電を指示し、野立て太陽光電源(PV:Photovoltaic)で充電を行って避難所に見立てた建物での放電を実施。北杜市役所や住民に、地産の再生可能エネルギーである太陽光電源・EVおよびV2Hを災害時に活用するイメージをつかんでもらうとともに、アプリの有用性を確認した。
アプリでのEV呼び出し指示イメージ
TISは昨今の激甚災害に伴う広範囲・長時間にわたる停電などのインフラ断絶という社会課題に対し、「地産の再生可能エネルギー」および「非常用電源としてのEV」をITで効率的にマネジメントし、エネルギー早期復旧を実現させるしくみを提供することで、減災力の強い持続可能な地域社会の実現を目指す。EV活用の可能性を平常時に加えて災害発生時にも見出し、ISOU PROJECTにおけるエネルギー地産地消のしくみの幅を広げ、持続可能な地域社会実現を推進する。
– ISOU PROJECT
https://www.tis.jp/special/ISOUPROJECT/