東京大学大学院新領域創成科学研究科の藤本・清水研究室と三井不動産は7月3日、首都圏最大級の屋外ロボット開発検証拠点である「KOIL MOBILITY FIELD」にて、走行中給電用コイルを埋設した走行レーンを民間で初めて新設し、フィールド検証実験を開始すると発表した。
これにより東京大学と三井不動産は、日本初の電気自動車(EV)への走行中ワイヤレス給電の公道実証実験により近づくこととなった。
そのために三井不動産は、公民学連携で街づくりを推進している柏の葉スマートシティ「イノベーションキャンパス地区」内の135街区に同社が設けた「KOIL MOBILITY FIELD」で、このフィールド検証実験をサポートしていく。
ちなみに、この「KOIL MOBILITY FIELD」は2021年6月15日に、柏の葉スマートシティ「イノベーションキャンパス地区」内の135街区でオープンしたドローンや自動運転などのロボットの開発検証のために設けられた開発検証フィールドだ。
かつて首都圏エリアでは、長らく実証実験やロボット開発要請の相談が数多く寄せられてきたが、公道を利用する開発検証や実証実験は、行政などとの手続きに時間が掛かるため、スピード感を求めるベンチャー企業等のニーズに応えられないことが多かった。
またドローン実証の場合は、開発時に懸念される機体の暴走防止のために、全面をネットで覆った緩衝ネット付飛行場でのテスト環境が求められる。
そこで三井不動産は、都心からのアクセスも良い柏の葉スマートシティに開発検証フィールドを設けることで、多くの企業や大学等の研究開発者の利用に応えた。そうした経緯もあり、利用についても迅速で簡易な手続きで開発検証が行なえる。
これに併せて三井不動産は、「イノベーションキャンパス地区」内への企業の集積や研究機関の誘致を鋭意、進めている。
開発検証フィールドの施設構成は以下の通り
- 「モビリティサーキット(全長400m、幅員7m)」…自動運転、走行中ワイヤレス給電、歩行支援ロボットなどのマイクロモビリティ開発。
- 「ドローンフィールド(緩衝ネット付飛行テスト施設)」(23m×18m×高さ9m)…水素燃料電池ドローン、有人ドローンなどの開発。
- 「草刈りフィールド(1,245㎡)」…ロボット草刈機の開発。
- 「作業室(約30㎡/40フィートコンテナ1基)」…モニターや充電環境を備えたコントロールルーム。