3月12日から16日にスイス・ジュネーブで開催された国連の「自動車基準調和世界フォーラム(*WP29)」の第174回会合で、自動で車線変更を行う自動ハンドル操作に関する国際基準が新たに成立した。
また、WP29傘下に設置されている自動運転分科会では、レベル4も想定した非常に高度な自動運転車の認証方法について、検討を開始することが合意された。
* WP29:自動車安全・環境基準の国際調和と認証の相互承認を多国間で審議する唯一の場であり、日本も積極的に参画。
1.自動運転車に関する国際基準の成立
高速道路において運転者の操作を起点として自動で車線変更を行うことを可能とするための自動ハンドル操作に関する国際基準が全会一致で成立した。
同基準においては、①システムの状態を運転者に示すこと、②運転者のハンドル操作を優先すること、③車線変更する先の車線の後方接近車両と自車との車間距離が十分でない場合は自動車線変更を開始しないこと等が規定されている。
国土交通省は、同基準は今年10月頃に発効する見込みであり、日本も関係法令を改正し、採用する予定だとしている。
2.自動運転車の認証方法の検討の開始
また、WP29傘下に設置されている自動運転分科会では、レベル4も想定した非常に高度な自動運転車の認証においては、従来の物理的な試験に加え、自動車メーカーによるシミュレーション等の確認及び、実走行試験の実施の必要性が合意され、タスクフォースを設置して詳細な検討を進めることが合意された。
国連自動車基準調和世界フォーラム(WP29)の概要(PDF):
http://www.mlit.go.jp/common/001226538.pdf
国連における自動運転の車両に関する技術基準の検討体制(PDF):
http://www.mlit.go.jp/common/001226540.pdf
自動運転のレベル分けについて(PDF):
http://www.mlit.go.jp/common/001226541.pdf
自動車の安全・環境基準の世界統一と相互承認の拡大(PDF):
http://www.jasic.org/j/08_publication/pamphlets/pdf/tereg.pdf