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2024年6月20日【エコノミー】

ユニフライ、ベルギーでドローンによる自律型輸送を実現

坂上 賢治

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テラドローン傘下のユニフライ、自律型ドローンを使う輸送業務を可能に

 

Terra Drone( テラドローン)傘下で飛行に係る運航管理システム(UTM/Unmanned Aircraft System Traffic Management)会社の「Unifly NV( ユニフライ)」は6月20日、ドローン物流のADLC社、化学大手のBASF社、検査・検証・試験・認証大手のSGS社と共にベルギーのアントワープ港で、世界初(SGS社調べ)の自律型ドローンを用いた石油化学サンプル輸送を実現した。

 

この輸送にはユニフライのUTMが導入され、ドローンの安全な自律飛行を実現し、サンプルの非破壊検査実務に関して輸送時間と業務効率の大幅なプロセス短縮に貢献した。

 

そんな今回の検疫物輸送は、当地に於ける厳しい航空規制の要件を満たし、石油化学サンプルのドローン輸送を認可されたプロジェクトの一環で実施されたもの。またアントワープ港湾内の非分離空域での世界初の実務となった。

 

上記のドローン輸送の意義は、船舶輸送に係る入港貨物の内容確認を時間を大幅に短縮できたこと、また併せて業務効率を大幅に改善できたことにある。そもそも港湾を持つ政府は、どの国に於いても港に到着した液体貨物船が荷降ろしを始める前に貨物の成分を確認する必要があるため、必ずサンプルを採取し分析が行われる。

 

これまでサンプルは、車を使って陸路で輸送されていた。しかし今回は、目視外にある制御室から完全にコンピューター制御されたドローンを使用し、出発地から目的地までを自動で移動させることができた。

 

こうした検疫貨物の空路を利用したドローン輸送への置き換えにより、輸送に係る時間を最大6分の1に短縮。CO2排出量も最大80%削減することを可能にして、業務効率を大きく改善させた。

 

この検疫輸送に関わったユニフライは、自動計算による精緻なUTM(飛行計画)の作成、リアルタイムな飛行モニタリング、飛行中の状況認識機能などにより、シームレスかつ安定的な目視外飛行(BVLOS)を可能にした。

 

そんなアントワープ港では、既に2021年3月から港湾内でのドローン飛行実証にユニフライのUTMを導入。これまでに約6,000件以上の飛行許可・承認手続きを処理するなど重要な役割を積み上げてきている。

 

それらの結果、ユニフライは、欧米8カ国での導入実績を背景に同分野に於ける世界的なリーディングカンパニーとしての立ち位置を確かなものとしている。テラドローンはそんなユニフライに対して2016年に戦略的パートナーシップ契約を締結。2023年には51%の株式を取得して子会社化した。

 

現在の湯にフライは、ドイツ政府傘下のANSP(航空管制サービスプロバイダー)であるDFSも同社の知見や技術力評価。2018年に出資して第二筆頭株主となっている。

 

ちなみに今回アントワープ港に於ける一連の業務に関わったユニフライのアンドレス・ヴァン・サルムCEO(Andres Van Salm)は、「私たちのUTMがこのような画期的なプロジェクトに貢献できたことを非常に嬉しく思います。今回の石油化学サンプル輸送に於ける目視外飛行の成功は、産業用途での自律型ドローンの大きな可能性を示しています」と話している。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。