NEXT MOBILITY

MENU

2023年9月28日【トピックス】

欧州日産も参加する英・自動運転実証プロジェクトが始動

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

日産自動車傘下の欧州日産も支援する「英・自動運転研究プロジェクト〝evolvAD(英国政府が資金を提供)〟」が遂に正式始動した。

 

同プロジェクトは、当地内で独自の自動運転技術を蓄積するべく、コネクテッド機能を実装させた自動運転車が、V2I(Vehicle to Infrastructure/ICT通信機能を有するコネクテッド車両とインフラ設備との無線通信)を、どのように利用できるかについての研究を行う。

 

 

例えば、都市の住宅地に於いては、防犯カメラなどの社会インフラをどのように活用できるのか。また地方では、高速で駆け抜ける幹線道や細いカントリーロードなど、めまぐるしく変化する環境下で、V2Iを具体的な走行機会に繋げていけるのかを探り、最終的には、自国内で独自かつ大規模なサプライチェーンの整備・構築を目指すというもの。

 

そんな〝evolvAD〟は、テクニカル面をリードする「欧州日産」を筆頭に「コネクテッド プレイシズ カタパルト」、「ヒューマナイジング オートノミー」、「SBDオートモーティブ」、「TRL」の5つの業界パートナーが専門知識を持ち寄って運用される。

 

一方で、英イノベーション機関は「イノベートUK」を介して1億ポンドのファンドを出資。それらを原資に、政府とコンソーシアムパートナーからなるCCAV(コネクテッド自動運転車センター)が運営する。

 

 

なお既に2023年7月から始動した同プロジェクトは、目下のところ計画の緒に就いたばかり。現在はEVの「日産リーフ」をテスト車両として起用。

 

実道路下の試験走行に入る前段階では、シミュレーション環境と専用テストトラックでのテスト消化。その後にリアル実証に向けて、当該車が実践投入されていく予定だ。

 

同プロジェクトへの参加について欧州日産は、「evolvADのプロジェクト初期段階に於ける〝ヒューマンドライブ〟と〝サーブシティ〟での成功に続き、これからもテスト走行を積み重ねて、自動運転技術の蓄積を更に深めていきます。

 

 

そもそも当社とって自動運転技術は、我々自身が定めた長期ビジョン〝Nissan Ambition 2030〟内で最も重要な柱となるものです。

 

当社は、自動運転技術を介して、よりクリーンで安全、かつインクルーシブな世界の実現を目指していきます」と話している。

 

 

最後に同コンソーシアムのパートナー体制は以下の通り

 

– 欧州日産:リーディング パートナーであり、プロジェクト期間中にテスト走行を行うコネクテッド自動運転車の開発を主導。
– コネクテッド プレイシズ カタパルト:高度な機械学習技術を応用して、航空画像から高精細地図を生成。
– ヒューマナイジング オートノミー:交通弱者(歩行者、自転車、オートバイ利用者)の知覚と行動推定能力を備えた英国のサプライヤー。
– SBDオートモーティブ:オンボードサイバーセキュリティと先進安全ケースを担当
– TRL:スマート モビリティ リビング ラボ(SMLL)テストベッドのインフラを活用した車両システム検証プロセスのさらなる開発。

 

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。