日産自動車傘下の欧州日産も支援する「英・自動運転研究プロジェクト〝evolvAD(英国政府が資金を提供)〟」が遂に正式始動した。
同プロジェクトは、当地内で独自の自動運転技術を蓄積するべく、コネクテッド機能を実装させた自動運転車が、V2I(Vehicle to Infrastructure/ICT通信機能を有するコネクテッド車両とインフラ設備との無線通信)を、どのように利用できるかについての研究を行う。
例えば、都市の住宅地に於いては、防犯カメラなどの社会インフラをどのように活用できるのか。また地方では、高速で駆け抜ける幹線道や細いカントリーロードなど、めまぐるしく変化する環境下で、V2Iを具体的な走行機会に繋げていけるのかを探り、最終的には、自国内で独自かつ大規模なサプライチェーンの整備・構築を目指すというもの。
そんな〝evolvAD〟は、テクニカル面をリードする「欧州日産」を筆頭に「コネクテッド プレイシズ カタパルト」、「ヒューマナイジング オートノミー」、「SBDオートモーティブ」、「TRL」の5つの業界パートナーが専門知識を持ち寄って運用される。
一方で、英イノベーション機関は「イノベートUK」を介して1億ポンドのファンドを出資。それらを原資に、政府とコンソーシアムパートナーからなるCCAV(コネクテッド自動運転車センター)が運営する。
なお既に2023年7月から始動した同プロジェクトは、目下のところ計画の緒に就いたばかり。現在はEVの「日産リーフ」をテスト車両として起用。
実道路下の試験走行に入る前段階では、シミュレーション環境と専用テストトラックでのテスト消化。その後にリアル実証に向けて、当該車が実践投入されていく予定だ。
同プロジェクトへの参加について欧州日産は、「evolvADのプロジェクト初期段階に於ける〝ヒューマンドライブ〟と〝サーブシティ〟での成功に続き、これからもテスト走行を積み重ねて、自動運転技術の蓄積を更に深めていきます。
そもそも当社とって自動運転技術は、我々自身が定めた長期ビジョン〝Nissan Ambition 2030〟内で最も重要な柱となるものです。
当社は、自動運転技術を介して、よりクリーンで安全、かつインクルーシブな世界の実現を目指していきます」と話している。
最後に同コンソーシアムのパートナー体制は以下の通り
– 欧州日産:リーディング パートナーであり、プロジェクト期間中にテスト走行を行うコネクテッド自動運転車の開発を主導。
– コネクテッド プレイシズ カタパルト:高度な機械学習技術を応用して、航空画像から高精細地図を生成。
– ヒューマナイジング オートノミー:交通弱者(歩行者、自転車、オートバイ利用者)の知覚と行動推定能力を備えた英国のサプライヤー。
– SBDオートモーティブ:オンボードサイバーセキュリティと先進安全ケースを担当
– TRL:スマート モビリティ リビング ラボ(SMLL)テストベッドのインフラを活用した車両システム検証プロセスのさらなる開発。