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2024年6月13日【IoT】

チューリング、ML実験管理プラットフォーマーと連携

坂上 賢治

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自動運転車の開発に取り組むTuring( チューリング )は6月13日、ML( 機械学習 / Machine Learning )実験管理プラットフォームを提供するWeights & Biases Japan( W&B Japan / ウェイツ・アンド・バイアスィズ・ジャパン )が同日公開したVision-Languageモデル( VLM / 視覚と自然言語の融合研究モデル )評価のためのリーダーボード「Heron VLMリーダーボード」に技術提供を行った。

 

同日の公開時点では、15を超えるVLMでHeron-Bench( 日本語VLMのベンチマーク )を含む日本語VLM評価による比較が可能になっているとした。

 

 

「Heron VLMリーダーボード」概要は以下の通り

 

当該リーダーボードは、完全自動運転の実現に向けたマルチモーダル生成AI「Heron」を開発するチューリングと国内最大級のLLMリーダーボード「Nejumi LLMリーダーボード」を運営するW&B Japanの知見を組み合わせて開発された。

 

チューリング独自開発の日本語VLM性能評価ベンチマーク「Heron Bench 」及びVLMの評価のために世界で広く使われている「LLaVA Bench (In-the-Wild) 」を組み合わせた総合評価により、現実世界に即した複雑な画像を用いた評価だけでなく、日本の文化的文脈に根差した評価を可能にしているという。

 

インタラクティブにモデル評価結果を分析

 

Heron VLMリーダーボードは、Weights & Biases プラットフォームの実験管理機能を活用することで評価の再現性とトレーサビリティを担保している他、よりインタラクティブに評価結果を表示し、その場で分析することが可能としている。

 

それは平均スコアをランキング表示するだけでなく、それぞれのモデルがどのような特徴を有しているのかを捉えることができるよう設計されており、各評価軸に於ける性能を複数のモデル間で比較するレーダーチャートや、一つひとつの評価タスクに於ける入出力を可視化するテーブルなどが含まれていると結んでいる。

 

「Heron Bench」とは
チューリングが独自開発した日本語VLMの性能を評価するための汎用的なベンチマーク。Conversation、Detail、Complexの3つのカテゴリーを設定した日本特有の画像と質問のペアデータセットで構成されており、日本語VLMの性能を詳細に分析することが可能となっている。

URL:https://huggingface.co/datasets/turing-motors/Japanese-Heron-Bench

 

 

上記のようにチューリングは、大規模言語モデル(LLM)に視覚を持たせたマルチモーダルモデルを構築中で、例えば画像と質問を入力すると、AIが画像の状況を判断して回答する。

 

 

完全自動運転を目指すための日本語VLMでは、上記事例のようにロングテールのあらゆるエッジケースに対して適切に判断できることが求められる。従って、これを実現するために、運転の知識に加えて一般常識と言われるような知識を上手く組み込むことで対応できる可能性について語られるようになっているようだ。

 

チューリングとは
完全自動運転車両の開発に取り組むスタートアップ。カメラから取得したデータのみでステアリング、ブレーキ、アクセルなど、運転に必要なすべての判断をAIが行うE2E (End-to-End) の自動運転AIを開発している。

 

高度な自動運転を実現する「生成AI」、AIを車載で動かす「半導体」、車両とAIを一体化させる「自動運転システム」の3軸の開発を同時に進めることで、2030年までに完全自動運転を実現することを目指すとしている。

 

会社概要
会社名:Turing株式会社
所在地:東京都品川区大崎1丁目11−2 ゲートシティ大崎 イーストタワー4階
代表者:代表取締役 山本一成
設立:2021年8月
事業内容:完全自動運転EVの開発・製造
URL:https://tur.ing/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。