トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD/※1)は、9月10日、運用総額8億米ドル(約879億円)のグローバル投資ファンド「ウーブン・キャピタル(Woven Capital)」を、来年1月に設立すると発表した。
TRI-ADは、来年1月に「ウーブン・プラネット・ホールディングス」と、傘下の事業会社である「ウーブン・コア」および「ウーブン・アルファ」からなる新体制への移行(7月28日発表)を予定しているが、今回、このウーブン・プラネット・ホールディングス傘下に、革新的なテクノロジーやビジネスモデルを開発する成長段階の企業に投資する「ウーブン・キャピタル」を追加。
これにより、ウーブン・プラネット・ホールディングス全体の新事業開発力を強化し、ビジョンである「Mobility to Love, Safety to Live」の実現を加速する。
<投資対象領域>
・自動運転モビリティ
・自動化
・人工知能
・機械学習
・データアナリティクス
・コネクティビティ
・スマートシティ
またウーブン・キャピタルでは、アーリーステージの企業を投資対象とする「Toyota AI Ventures(以下、TAIV)」の投資案件を引き継ぐほか、他のベンチャーキャピタル(VC)ファンドへの投資も実施する。
ファンド設立に際して、TRI-AD CEOのジェームス=カフナー氏は、以下のように話している。
「Arene(アリーン/※2)やAutomated Mapping Platform(※3)、Woven Cityなどのプロジェクトにおいて、私たちは挑戦的な目標を自ら掲げていますが、この実現には多様なパートナーやテクノロジーが必要です。
今後はウーブン・キャピタルによる投資活動を通じて、グローバルなパートナーと共に様々なテクノロジーを織り込み、お客様、ステークホルダー、そして社会に長期的な価値をお届けすることが可能となります。
同時に、TAIVの投資先企業のうち、追加出資を必要とする成長段階の企業への投資を行うことも可能となります」。
なお、ウーブン・キャピタルでは現在、来年1月の運営開始に向け、投資プロフェッショナルおよびサポートスタッフを、ウェブサイト(英語)<https://www.tri-ad.global/jp/work-with-us>で募集している。
[ウーブン・キャピタル概要]
– 名称:Woven Capital, L.P.
– 所在地:米国
– 設立時期:2021年1月(予定)
– 運用総額:8億米ドル
– 運用期間:10年
– 運営会社:Woven Capital Management Company, L.L.C.
(ウーブン・プラネット・ホールディングス株式会社の100%子会社)
– 投資対象:
以下の領域に属する、革新的なテクノロジーやビジネスモデルを開発している成長段階の企業(自動運転モビリティ/自動化/人工知能/機械学習/データアナリティクス/コネクティビティ/スマートシティ)。
※1)TRI-AD:自動運転に関連する新しい技術と、先進的で安全なシステム開発を目的とし、2018年3月に東京に設立。トヨタが2020年1月に発表したスマートシティ「Woven City」においても、デザイン、コネクテッドモビリティ、ロボティクスの技術をトヨタおよびパートナー企業等と実証していく。
※2)Arene(アリーン):プログラム可能なクルマづくりを目標として、TRI-ADが開発するオープンなプラットフォーム。クルマの安全性に必要な要素やAPIを包括し、コンセプトから実装までのスピーディな開発を繰り返し行うことができる。また、開発者やOEM企業は高い安全性とセキュリティを維持しながら、ソフトウェアをアジャイルな方法で継続的にアップデートすることが可能になる。
※3)Automated Mapping Platform(AMP):協力企業から自動運転車両のデータ供給を受け、高精度の地図を作成、共有するオープンなソフトウェアプラットフォーム。
■TRI-AD:https://www.tri-ad.global/jp/