豊田通商は、ケニアの未電化地域でミニグリッド事業を展開する米国のベンチャー企業パワーハイヴ社(Powerhive)の第三者割当増資に参加し、同社に出資した。
サブサハラ地域(サハラ砂漠以南のアフリカ諸国)では、電力供給の無い地域で約6億人が生活。人口密度の低いサブサハラ地域では、大型発電所からの送電網の整備が進まないため、ミニグリッドのような分散型電源の普及に期待が寄せられていると云う。
パワーハイヴ社は、ケニアで民間企業として最初に売電ライセンスを取得し、同国の無電化地域で太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせたミニグリッドを構築・設置し、周辺地域の複数住宅および事業者へ電気を供給する事業を展開。
ミニグリッドの設備資産は、パワーハイヴ社が保有しているため、利用者は発電設備などの費用を負担することなく、使用する分の電気代をモバイル決済することで、より安定的に電気の利用ができると云う。
またパワーハイヴ社では、開発候補地選定、配電網設計、建設、電力供給管理、顧客管理までの一連のシステムプラットフォームを自社開発し保有しているため、地域ごとの電気需要に合ったミニグリッドの構築が可能。ミニグリッドによる電気供給とともに、地域の事業者や個人が電気を活用しやすくするために、小規模金融プログラムも提供している。
これにより例えば、養鶏家では孵卵器を、農家ではかんがいポンプを、住宅では電気コンロを導入することを可能とし、電気の利用による世帯収入の向上、生活環境の改善を支援。
電気の供給と付帯事業の両面から地域社会の発展を支援し、未電化地域への事業拡大を進めていると云う。
豊田通商は今回の出資により、パワーハイヴ社のケニアでのミニグリッド事業を支援するとともに、同社のアフリカでのネットワークと知見を生かし、今後同社とケニア国内での事業の拡大、さらには他国への事業展開を図っていくとしている。
[パワーハイヴ社の概要]
– 会社名:Powerhive Inc.(パワーハイヴ インク)
– 所在地:米国デラウェア州ウィルミントン
– 設立年:2011年
– 代表者:President & CEO Christopher Hornor(クリストファー・ホーナー)
– 事業概要:ミニグリッドのシステム開発、ミニグリッド事業の開発・運営
– HP:http://www.powerhive.com/