12月17日セレモニーの様子
豊田通商は12月23日、インドネシア共和国(以下「インドネシア」)西ジャワ州スバン県のパティンバン新国際港において、インドネシアの国営企業が暫定的に行ってきた自動車ターミナル運営事業を、豊田通商が新設した運営会社「PT. Patimban International Car Terminal」を通じて引き継ぎ、2021年12月17日より運営を開始したことを発表した。
インドネシアの経済発展に伴い、2000年代半ばより国全体の貨物量が急増するとともに、特にジャカルタ首都圏では慢性的な交通渋滞が発生している。そのため、ジャカルタ北部にある唯一の国際港であるタンジュンプリオク港では、日系企業の工場が多く集積する東部の工業団地とのアクセスに悪影響が続くなど、物流停滞が長年の課題となっていた。
パティンバン新国際港は、自動車ターミナルとコンテナターミナルの2つで構成され、インドネシア政府主導で、第1期から第3期まで段階的に建設が進められることが計画されている。第1期フェーズ1は2017年11月に日本・インドネシア政府間で、1,189億600万円を上限とする円借款契約が締結されたこと受け、2018年より建設が開始され、2020年12月に各ターミナルの一部施設が完成し、暫定的に国営企業が運営を行ってきた。
2021年12月17日、インドネシアのブディ・カルヤ・スマディ運輸大臣、金杉憲治駐インドネシア特命全権大使出席のもと、現地で自動車ターミナルの本格商業運転開始に関わるセレモニーが開催された。CTコープ社を含む現地企業4社が出資する「PT. Pelabuhan Patimban Internasional(以下「PPI社」)」から委託を受け、豊田通商が新設した運営会社「PT. Patimban International Car Terminal(以下「PICT社」)」が国営企業から事業を引き継ぎ、自動車ターミナルの運営を担う。
第1期フェーズ1では取扱能力21万8,000台/年の自動車ターミナルとコンテナ取扱能力25万TEU/年のコンテナターミナルが建設され、自動車ターミナルは2024年までに取扱能力60万台/年まで、コンテナターミナルは段階的に750万TEUまでそれぞれ拡張される計画。ジャカルタ首都圏東部のパティンバン新国際港の円滑な運営により、タンジュンプリオク港への貨物が分散されることで、ジャカルタ首都圏における交通渋滞の緩和や物流機能が改善され、インドネシアの輸出力向上や物流コストの低減が期待されている。
■PT. Patimban International Car Terminal概要
会社名:PT. Patimban International Car Terminal(ピーティーパティンバンインターナショナルカーターミナル)
所在地:西ジャワ州ブカシ県
設立:2021年11月
株主:豊田通商グループ100%
代表者:代表取締役社長 DANNY WALLA(ダニワラ)
事業概要:パティンバン新国際港の自動車ターミナルの運営
パティンバン新国際港 自動車ターミナル