豊田通商は、車載ソフトウエア開発のサポートツールを提供するイスラエルの「Aurora Labs(以下、AL社)の第三者割当増資を引き受け、シリーズB資金調達ラウンドにおいて、約150万米ドルを出資した。
出資は、車載ソフトウエアのソースコード解析と管理を支援するサービス、および車載関連メーカーのソフトウエアプログラミングを支援するサービスの実用化を目的としている。
自動車の多機能化に伴い、車載ECU(Electronic Control Unit)に搭載される制御ソフトウエアの重要性が高まるとともに、大規模化・複雑化している。また、普及が見込まれるコネクティッドカーでは、販売後の機能追加による商品性向上や不具合発生時の対応として制御ソフトウエアの更新・書き換えを、OTA(※)システムを通じて遠隔地から無線通信のデータ送受信によって行うため、従来以上にソフトウエア管理・更新技術の重要性が高まっている。
AL社は、従来のバイナリーコードレベルではなく、ソースコード単位でのソフトウエア挙動の自動解析を行い、 ①不具合や脆弱性を検知、②適合性検証、③OTAによる更新を最小限にするバージョン管理(差分の見える化)を行う技術を保有。この技術の活用により、車載制御ソフトウエアの開発工数低減やソフトウエア更新に必要なデータ量の削減に加え、更新後のソフトウエアに不具合があった場合のロールバック(更新前のソフトウエアへの復旧)も容易に実施できるようになると云う。
豊田通商は、車載ソフトウエアのソースコード解析と管理、およびOTA対応を進めるため、AL社の技術の商用化を目指す。さらに、自動車に限らず、スマートシティにおけるITインフラのソフトウエア更新作業において、この技術を活用する可能性についても検証する。
※)Over the air (オーバー・ジ・エア):ソフトウエアの遠隔更新機能。携帯電話回線やWifi通信などを経由し、ソフトウエアの遠隔更新を行うこと。これにより、制御ソフトウエアの機能追加、機能修正を、遠隔地から行うことができる。
[AL社概要]
– 会社名:Aurora Labs Ltd.(オーロラ ラボス)
– 本社:イスラエル テルアビブ市
– 設立年:2016年
– 代表者:
CEO & Co-Founder Zohar Fox(ゾハー=フォックス)
COO & Co-Founder Ori Lederman(オリ=レダーマン)
– 事業概要:車載ソフトウエア関連のシステム開発
■Aurora Labs:https://www.auroralabs.com/