豊田通商とグループ会社のCFAO社は3月3日、アフリカ向けスタートアップ企業などへの出資・融資等を目的に共同設立したモビリティ54(Mobility 54 Investment)社を通じて、コートジボワール共和国でデジタル交通プラットフォームを展開するモジャライド(Moja Ride)社に、新株予約権付転換社債の引き受けによる出資を決定した。
出資は、2月26日に開催された、日本経済新聞社(以下、日経)と国際協力機構(以下、JICA)共催で行われたテック系イベント 「アフリカ新興テック ピッチ決勝戦でモジャライド社がモビリティ54特別賞を受賞したことによるもの。豊田通商は、モジャライド社が公共交通機関を対象としたサービス展開を後押しすることで、西アフリカの公共交通サービスの品質向上が期待できると考え、同社を特別賞に選定、今回の出資に至ったとしている。
コートジボワールの最大都市アビジャン市では、約3万5千台の「ウォロウォロ」と呼ばれる乗り合いのタクシーと約8千台の「バガー」と呼ばれるミニバスが、古くより市民の足として普及しており、その事業運営は、タクシーやバスのオーナーである個人事業主がそれぞれのドライバーを雇い、交通サービスを提供。
そのため、タクシーやバスごとの運行情報や料金システムが統合されておらず、乗客はサービスを利用するたびに運行スケジュールや目的地の確認、料金交渉などを行う必要がある。またその一方で、現金による運賃の支払いが主流であり、ドライバーが日々の売上を管理しているため、オーナーが正確にサービス収益を把握することが困難になっていると云う。
そのような状況の中、同国発のスタートアップ企業であるモジャライド社は、アビジャン市を中心に、現在1,200台以上のタクシーやバスに対して複数の交通機関をまたいで利用できるキャッシュレス決済システムや、乗車予約システムを、地場の交通産業への理解と、関係者とのネットワーク力を活用しつつ、現場の課題と向き合いながら開発・提供。
豊田通商は、モジャライド社のこのシステム拡がり、運行情報と乗車情報が整流化されることで、乗客の利便性と事業主の事業効率性の向上が図れ、同国の公共交通サービスの品質向上につながることが期待できるとしている。
豊田通商グループは、モビリティ54社を通じてアフリカで革新的なモビリティサービスを展開するスタートアップ企業へ投資を行い、事業の拡大やサービス拡充への支援、またグループのアフリカ事業との相互シナジーを創出。アフリカでのMaaS/CASE事業といったソフト面の取り組みを加速し、車両やアフターサービスの提供などハード面との両面から、より包括的にアフリカのモビリティ社会の課題解決に取り組んでいくとしている。
[会社概要]
<モジャライド社>
– 会社名:Moja Ride SARL
– 所在地:コートジボワール・アビジャン市
– 代表者:Founder & CEO Mr. Jean Claude Gouesse(ジャン・クロード・グッセ)
– 設立:2019年
– 事業内容:コートジボワールでの交通事業者向けシステム開発・販売事業
<モビリティ54社>
– 会社名:Mobility 54 Investment SAS
– 所在地:フランス・セーブル市
– 株主構成:豊田通商 70%、 CFAO 30%
– 代表者:President & CEO 渡邊 剛
– 設立:2019年10月
– 事業内容:アフリカ向けスタートアップ企業などへの出資・融資。豊田通商・CFAOグループ事業とのシナジー創出。
Moja Ride:https://mojaride.net/